超映画批評プチ『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』『深呼吸の必要』『「超」怖い話A 闇の鴉』『ヴェロニカ・ゲリン』

『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』55点

ワイヤー+スローで演出したアクションの出来がよい。主演のプロレスラー俳優、ザ・ロックのようなデカイ男はやはりスクリーンでは見栄えがする。上半身も見せまくり、マッチョ好きにはたまらない。ストーリーは……変な置物を争奪する話。まあ記号みたいなものだ、気にしちゃいけない。ワンシーン出演のカルフォルニア州知事A・シュワルツェネッガーの演技がなかなか意味深!

『深呼吸の必要』50点

沖縄のさとうきび刈り取り短期バイトに集まった若者たちの姿を描く。いがみあう現代っ子たちが、田舎の良さや人情に触れ徐々に相互理解してゆく話。まとまりはよいが仕掛けがなくやや退屈。この手の「ちょっといい話」をやるなら、どう客を呼ぶかの工夫がもっと必要では? これでは誰に見せようとして作ったかのが感じにくく、監督がやりたい事を撮っただけという印象だ。あまりに地味過ぎ、1800円を払ってまで見ようと思う人がどれだけいるか。

『「超」怖い話A 闇の鴉』30点

恐怖の性質が非現実的すぎる。理不尽&ナンセンスすぎては大人は怖がれない。オカルトとはいえ、映画の中だけでも通用する「リアルな嘘」をついてくれないと、なかなか人は恐怖を感じないものだ。これではせいぜい怖がりの中学生の女の子向きか。それにしても、主演のグラビアアイドル佐藤寛子ちゃんの胸はデカイ。走るとこれがまた……。個人的には彼女を見てるだけで幸せなひとときだが。

『ヴェロニカ・ゲリン』70点

家庭を持つ身でありながら、命をかけて犯罪組織と闘った女ジャーナリストの実話。ヒロインの生きざまには本物の感動がある。鑑賞後には深く考えさせられるだろう。派手好き名物プロデューサーのブラッカイマーらしく、つかみがショッキング。この手の社会派ドラマは多くの人に見てもらう事に意義があるが、だとすると上映時間が短くテンポの良いこの作りはむしろ正解か。友情出演コリン・ファレルのはまりすぎな役柄には笑える。



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