「アマゾン大冒険〜世界最大のジャングルを探検しよう!〜」60点(100点満点中)
監督:ティエリー・ラコベール

退屈せずに教養を

子供と楽しく見られて教養になる映画というのはなかなかない。普段からそんな不満を持つ小学生の親御さんにとって「アマゾン大冒険〜世界最大のジャングルを探検しよう!〜」は、そこそこ役に立つ一本となるだろう。

フサオマキザルのサイは、人間の少女に飼われていたが、あるときアマゾンのジャングルに迷い込んでしまう。そこでサイはこれまで見たこともない野生動物や植物、想像を絶する自然の驚異に遭遇する。はたして彼の冒険の終着点はどこにあるのだろうか。

実際にアマゾンのジャングルで撮影した映像素材を使って、フィクションのドラマを作る。ユニークだが相当な編集力、演出力を問われる企画である。動物も昆虫もお望みどおりの動きをしてくれるわけじゃないが、いくらイラついたとしても踏み潰してしまうわけにはいかない。下手なドキュメンタリーを作るより苦労が多かったことだろう。

だが、明確なストーリーがあれば物語好きな子供たちが退屈せずに見られるし、それでいて貴重な動物たちの本物映像を吸収できる。彼らの生態をおのずと把握することもできるし、いいことづくしだ。動物が好きな子に、さらに深い自然科学の世界へ踏み出す助けとなってくれることも期待できる。

コンドルからタランチュラ、アナコンダといったおなじみの生き物もいるし、始めてみるような得体の知れない動物を知ることもできる。そしてこうした芳醇な自然世界を、一部の人間たちが破壊していることも教えてくれる。

雨が降って増水した森を、とんでもないものが泳いでいる映像など、大人が見てもびっくりするようなシーンもある。機材に工夫をこらしてあるから、テレビのドキュメンタリーなどよりはるかに見応えを感じられるカメラワークを楽しめる。

親子でみた後、その内容について親が簡単なクイズを出して重要箇所を印象付けてやるのもいいだろうし、小学生の低学年から高学年まで幅広く楽しめる。いち観客としても、商業主義の固まりのようなジャンクフード的アニメ映画ばかりでなく、こうしたジャンルをもっと増やしてもらいたいところである。

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動物好きのお子様と。


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