『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』40点(100点満点中)
The A-Team 2010年8月20日(金)TOHOシネマズ 有楽座他 全国ロードショー 2010年/アメリカ/カラー/117分/配給: 20世紀フォックス映画
監督:ジョー・カーナハン 脚本:スキップ・ウッズ、ジョー・カーナハン、ブライアン・ブルーム 出演:リーアム・ニーソン ブラッドリー・クーパー クイントン“ランペイジ”ジャクソン シャールト・コプリー ジェシカ・ビール パトリック・ウィルソン

≪熱しやすく冷めやすい人向け?≫

熱しやすく冷めやすい人がいる。女性の場合だと、イケメンな彼が欲しくなって自分から誘い見事にゲットしたものの、何かの拍子で別れたが最後、相手がどう必死にアプローチしてきても決して二度と体を許さない、というタイプだ。

そのくせお友達としてなら喜んで続けてくれるので、男側に未練がある場合はたまったものではない。本人は自分の残酷さに気づくことなく、速やかに次なる恋へイナゴ集団のように完全移動する。男を振り回す、厄介な小悪魔タイプである。

テレビドラマのファンというのも、そうしたタイプが少なくないのだろう。でなければ、1クールの回数が年々減り、次から次へと新カレならぬ新ドラマが発表される理由がない。映画業界でも「相棒」のように、ドラマ終了後、なるべく早い時期に映画化したほうがヒットすると考える人は多い。

その意味では、アメリカの人気ドラマの映画化『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』のスタッフはずいぶんのんびりしたものだ。放映終了直後から映画化企画はあったとはいえ、元のドラマは80年代半ばに人気を博したもの。その間、ハンニバル役のジョージ・ペパードが亡くなってしまい、今頃映画化したところで、もうオリジナルキャストを採用することもできない(一部ゲスト的に出演)。冷めやすい小悪魔ドラマファンは、はたして本作を手放しで受け入れてくれるのか。

戦略家のハンニバル(リーアム・ニーソン)をリーダーにした特殊部隊Aチームは、それぞれが意外な形で出会い、やがてさまざまなミッションを成功させてきた。あるとき彼らは偽ドル紙幣の原版をイラクのバグダッドで見事奪還するが、その後の混乱に巻き込まれ、あろうことか犯人扱いされてしまう。

濡れ衣を着せられたAチームが、名誉挽回をかけて世界を飛び回り悪を追い詰めるアクション作品。ハンニバル登場の冒頭から、"ありえねー"派手な見せ場の連続で楽しませる。

中でも最大の見所は、落下中の戦車でUAV(無人航空機)と空中戦を繰り広げる場面。確かに戦車が強い事は認めるが、空中戦をやらせるとはさすがAチームである。装甲最強とはいえその意外な挙動、思わぬ奮戦ぶりには笑いと迫力が入り混じる。

逆にやや不満なのは、イラクを舞台に始まるなど中途半端に現代的な設定になっている点がちょいと生々しく、オリジナルのどこかのどかな作品のカラーを損ねている点。80年代特有のノーテンキさというか、どんくささが薄れていて、これがAチーム? と首をひねることも少なくなかった。

アクションのスケールはデカいものの、それが痛快さにイマイチつながっていないのは、そのあたりが原因ではないか。

ドラマを見ていること前提のようなサービスシーン、台詞も多く、元々のドラマファン以外には、そんなわけであまりオススメはしない。かといってキャスト変更等によるこの微妙な違和感、今でも原版を激しく愛するファンにはいかがなものか。あの有名なテーマ曲ひとつとっても、出し惜しみなどせず、もっとじゃんじゃん使ったら良かったと思うのだが。

結局のところ、熱しやすく冷めやすい冒頭の女の子が、かつてのイケメン元カレと今では普通のお友達としてつきあうように、元ファンがライト感覚で楽しむのがちょうどいいのでは、と思う。

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