『そんな彼なら捨てちゃえば?』60点(100点満点中)
He's Just Not That Into You 2009年8月1日(土)、丸の内ピカデリーにて 全国ロードショー 2009年/アメリカ/カラー/129分/配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ケン・クワピス 原作:グレッグ・ベーレント、リズ・タシーロ 脚本:アビー・コーン、マーク・シルヴァースタイン 出演:ベン・アフレック ジェニファー・アニストン ドリュー・バリモア ジェニファー・コネリー ケビン・コノリー スカーレット・ヨハンソン

男子禁制の女の子ムービー

いつからか、ちょっと微妙なタレントが女性誌でヌードになる事例が増えてきた。「オンナが憧れる自立した姿をアピール」「男に見てほしくて裸になっているわけじゃない」等の思いがそこには感じられる。

映画『そんな彼なら捨てちゃえば?』も100パーセント女性向けの作品であるが、その中には当代きっての美人女優二人の激しいラブシーンが存在する。もちろん、それは登場人物のオンナゴコロを体を張って表現した、必要不可欠な演出だ。

この二つに共通する真理は、女性の観客の前で表現するときの女優、タレントは、女である前に一人の人間としての魅力を振りまいているということ。そして、どこで彼女らが脱ごうと男たちはエロい目で見るということである。

決して見た目は悪くないのに男に縁がないジジ(ジニファー・グッドウィン)は、最近デートした相手とも思うように連絡がとりあえず悩んでいる。幸せな結婚生活を送る親友ジャニーン(ジェニファー・コネリー)と話しても解決はしない。そんなある日、相手の行きつけのバーで待ち伏せるという強攻策をとったジジに店のオーナー、アレックス(ジャスティン・ロング)はいう。「すれ違いなんかじゃない、単に相手が君に興味がないだけだ」

この映画、名前だけ見ればスーパーいい女大集合、といった陣容。上記あらすじはほんの一部で、ほかにもジェニファー・アニストン、ドリュー・バリモア、スカーレット・ヨハンソンといった一流どころの美女がずらずらと出てくる。

しかもそれが、ことごとく「イタい女」を演じる。7年も同棲を続けている熟女やネットの出会いに賭けているオンナなど、男から見れば「……。」としか思えぬ境遇だ。それでも本人たちは、必死に自己肯定しようとしている。フェミニズムの悪しき影響か、見ていて気の毒になってくる。──いや、正直に言えば大笑いさせてもらった。申し訳ない。

というか、そういうコメディになっているのだから仕方がない。男の本音を理解せず、いや理解しても認めたがらない女たちの哀れな姿を、ほとんど自虐的に笑うのが本作のウリなのだから。『そんな彼なら捨てちゃえば?』といわれたって、その後に幸せが待つわけでなし。にっちもさっちもいかない、しかし頑張るほかないのが現代の女の子、か。

とはいえ、心配することはない。これは先ほど書いたとおり「女の子専用映画」。麗しいみなさん方を不愉快にして終わり、のはずがない。ハリウッドの手練れ脚本家チームが、ちゃんと心地よい落としどころを用意してくれているから安心だ。最後までブラックに締めたほうが個人的には面白いと思うが、お姉さん方を怒らせたらどんなに恐ろしいことになるか、先日まで熟女ファンだった私とて知らぬわけではない。

さて最後に、男性がたのお楽しみ、ちょっとセクシーなラブシーンについて。それは、ジェニファー・コネリーとスカーレット・ヨハンソンの、新旧ハリウッド最強巨乳対決というべきゴージャスなもの。

その詳細は劇場で、というほかないが、わざわざここに記述するだけのものはあった、ということである。とくにスカーレットさんのファンは、見ておいて損はない。



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