『ウィッチマウンテン/地図から消された山』70点(100点満点中)
Race to Witch Mountain 2009年7月4日(土)より 全国ロードショー 2009年/アメリカ/カラー/98分/配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
監督:アンディ・フィックマン 原作:アレグサンダー・ケイ 脚本:マット・ロペス、マーク・ボンバック 出演:ドウェイン・ジョンソン アンナソフィア・ロブ アレクサンダー・ルドウィグ カーラ・グギーノ

アナソフィア・ロブの可愛さは地球最高レベル

ゲームの『アステロイド』が映画化決定したり、ドリームワークスのアニメ『モンスターVSエイリアン』がお化けヒットしたりと、最近はUFOネタが流行中。この『ウィッチマウンテン/地図から消された山』もそのひとつで、ロズウェル事件で有名な「エリア51」に並ぶ怪しいスポット、という触れ込みの「ウィッチマウンテン」を舞台に冒険が繰り広げられる。

タクシー運転手のジャック(ドウェイン・ジョンソン)は、ラスベガスで奇妙な姉妹を乗せる。兄のセス(アレクサンダー・ルドウィグ)と妹のサラ(アンナソフィア・ロブ)。どこか浮世離れした二人が指定したのは荒野のど真ん中の廃屋。様子がおかしいと降りて見に行ったジャックは、そこでとんでもないものを見る。

ディズニーらしい、ファミリー向けのアドベンチャームービー。小学生くらいの子供をつれて、お父さんが見に行く、というような映画だ。

だから爆発は起きても人は死なないし、過激な暴力描写もない。たとえ電車と正面衝突したってへっちゃらだ。君たちは不死身か。

それでも十二分に(お父さんさえも)楽しめるように作ってしまうところが、ハリウッドの伝統芸。それにしても、この作品のようないわゆる擬似家族ものを、最近はよく見かける。ベタではあるが、そういうものには泣けてしまう。そんな人にもぴったりだ。

なお、お父さんにとって目が離せないのはアンナソフィア・ロブ。このスーパー美少女は、ダコタ・ファニングの演技力とエマ・ワトソン(注:全盛期に限る)の美貌をいいとこ取りしたような若手女優で、今がまさに旬。

本作品で最後にはじめて見せる、人間的な表情には、おもわず抱きしめたくなるような、父性本能をくすぐる魅力がある。書いていて、われながら自分のおっさんくささが気持ち悪い。

お人よしにもほどがあるタクシードライバーを演じるのは、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン。気は優しいが力持ち、とは、この手の御伽噺に欠かせない役どころだが、元プロレスラーの彼はそれを完璧に演じている。ファミリームービーに、この人のキャラクターはとても合う。

決してスケール感があるとか、アクションが優れているなどの特長があるわけではないのだが、彼らスター役者のカリスマによって、総合的には十二分に面白い一本となった。

UFOやアメリカ陰謀説のファン、ドウェイン・ジョンソンのファン、小さいお子さんがいるお父さん、あるいはお子さんはいないがアナソフィア・ロブのキャリア最高の可愛らしさを目に焼き付けたい不届きなオジサンは、迷わず映画館へどうぞ。



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