『フィースト2/怪物復活』30点(100点満点中)
FEASTU:[SLOPPY SECOND] 2009年6月27日より新宿バルト9、シアターN渋谷他にて公開!! 2008/アメリカ/カラー/シネマスコープ/DOLBY DIGITAL/97分 提供:AMGエンタテイメント/配給:トルネード・フィルム
監督:ジョン・ギャラガー 脚本:パトリック・メルトン&マーカス・ダンスタン 出演:ジェニー・ウェイド クルー・ギャラガー ダイアン・ゴールドナー

前作で見せたキレがない

脚本勝負で成功した前作『The FEAST/ザ・フィースト』(05年)を受け、さてこの続編はどうくるかと期待してみたが、どうもコンセプトのはっきりしない、平凡なできばえであった。

物語は前作のラストから始まる。化け物に蹂躙されたバーのそばに、一人の女性バイカー(ダイアン・ゴールドナー)がやってくる。どうやら前作で死んだある人物と近しい人物らしい。何がおきたのかを生存者(クルー・ギャラガー)に聞いた後、復讐のため彼女は街に向かう。

むろん、街は大勢の化け物による夜祭大会真っ最中で、多数の死体と血だまりに、女バイカーもこりゃさすがにただ事ではないと思い始める。そして、そこから再び壮絶なサバイバルゲームが始まるという展開。

このパート2は、前作以上にギャグ方向に舵を切ってあり、多数のえげつない笑いが挟まれる。それがまた、実にくだらない&悪趣味なもので、大笑というより苦笑が続くタイプのもの。化け物を解体しはじめたり、女の子を脱がしてその服で脱出装置を作ったりと、思いつきのようなアホらしさが全開だ。

むろん、それも前作の魅力ではあったが、あちらはその前提として、平均をはるかに上回る恐怖を感じさせる襲撃シーンがあった。だからこそ、こうしたブラックなギャグが生きたわけだ。

ところがこの2にはそれがない。ホラーの"お約束"とわざと逆方向に進めることで、このジャンルに慣れた客をも翻弄した前作の工夫も失われた。オープニングはじめ、意外なキャラクターが死んだりもするが、かなりインパクトに欠ける。

本当はチャンスもあった。この2作目で人が死ぬのは、実のところ化け物が人間をぶち殺すケースはほとんどなく、多くは人間同士のエゴと間抜けさからくる自滅。ならばいっそ、全部そうしてしまえばよかった。化け物映画なのに、化け物が1名も殺戮しないホラー映画。でも見た人ほとんどは気づかない。そうしたアイデアを軸にすれば、もう少し斬新な内容に仕立てることもできただろう。

やりつくされたジャンルに、新風を吹き込んだ前作の続編ならば、せめてその程度のチャレンジを見たかったところ。ともあれ、まもなくパート3も公開されるから、最終的な評価はそちらを見てから、となるか。

ちなみに冒頭で女バイカーが出会う「生存者」は、監督の実の父親。このキャラクターのその後を見るに、なかなか素敵な親子共同作業である。

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これはイケます。
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同脚本家の残酷ホラー。パート6の脚本も書くとか。


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