『制服サバイガール II』30点(100点満点中)
2008年12月6日(土)より、キネカ大森にて限定ロードショー 2008年/日本/カラー/70分/配給:アートポート
監督・脚本:金子大志 特殊造型監修:西村喜廣 出演:仲村みう、白石隼也、坂本一敏、町田光、鈴木拓也、川村亮介、有末麻祐子、飛鳥凛

仲村みうが女子高生役で大胆演技

衝撃作『制服サバイガール I』のエンディングの直後から物語は始まる。遺伝子組み換え作物の野放図な栽培のせいで、接触した人間が植物ゾンビ化してしまうおそるべきバイオハザード。その拡大阻止のため、科学者や屈強な軍人らが現地を訪れる。

遺伝子組み換え食品とは、特定の性質(ある種の農薬耐性など)を持たせた作物のこと。たとえば大豆や菜種といった作物に、昆虫の遺伝子をブチこむなどして作る。

ちなみにこの映画の感染者の場合、植物のそれが人間に組み込まれてしまうという、正反対の構図となっている。これはなかなかアイロニカルで素敵な発想といえよう。

しかし実際のところ、遺伝子うんぬんという話は、パート1の最初に触れられて以降、この2の最後にいたるまで綺麗さっぱり忘れ去られている。要は、そんなことより制服が大事ということだ。

現地を訪れた屈強な軍人や科学者も、皆の期待通りあっという間に退場し、結局女子高生(仲村みう)が問題解決に当たるという展開となる。

質より数で勝負のサバイバルアクションだった前回と違い、今回登場する女子高生は仲村みうほぼ一人。彼女はC級雑誌グラビアからミスヤングマガジンまでのし上がったグラビア界の苦労人で、画像検索すると素敵な写真がたくさん出てくる若き逸材だ。

この続編は、彼女が同行した彼氏と建物の部屋に閉じこもり、ゾンビの襲撃を恐れて震えるインドア劇。さっさと逃げればいいのに、やおらセックスをはじめたりと、のどかな密室劇のごとき趣である。ワンアイデアで別の切り口から2作品を撮るという、同じ監督のクレーマーシリーズに続く趣向だ。

仲村みうは、持ち前の大胆さをいくつかのシーンで振舞ってくれる。指をくわえて誘惑する姿は、とても10代とは思えない。

演じるアクションもまたすさまじい。ちっぽけな手裏剣で大男の首を切り落としたり、日本刀で人体を真っ二つ(しかも縦に)にしたりと、武器扱いの達人ぶりは特筆に価する。あまりのことに、私は笑いが止まらなかった。

正直、仲村みうのグラビアの過激性を考えたら、Hシーンなどはもう少し露出できたろうと思わぬでもないが、それは言わぬが花だろう。繰り返しになるが、これはアクションホラー風味の、制服フェチ映画なのだから。



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