『アイズ』30点(100点満点中)
THE EYE 2008年11月1日(土)より、渋谷東急ほか全国ロードショー 2008年/アメリカ/カラー/97分/配給:ムービーアイ・エンタテインメント
監督:デイヴィッド・モロー、ザビエル・パリュ 出演:ジェシカ・アルバ、アレッサンドロ・ニヴォラ

傑作ホラー『the EYE 【アイ】』がハリウッドリメイク

タイなどで活躍する双子の映画監督オキサイド・パン&ダニー・パンによる『the EYE 【アイ】 』(02年)は、結局パート3まで作られドル箱シリーズとなった。二作目以降、加速度的につまらなくなっていく昔ながらの続編ジンクスを忠実に守った連作だが、『アイズ』は唯一見られる一作目のハリウッド版リメイクとなる。

若き盲目のバイオリニスト、シドニー(ジェシカ・アルバ)は、姉の強いすすめにより角膜移植手術を受ける。手術後、無事視力が戻ってきたかに思えたが、じつはシドニーには他人には見えていないものまで見えていたのだった。

角膜ドナーのおぞましい記憶まで移植されてしまった、あわれなヒロインの物語。同様の手術を受けたが、なぜか1週間後に自殺したタイの少女の実話をヒントに作られたストーリーだ。日本人にとっては、手塚治虫という偉大な先達の作品により、このアイデアはよりなじみが深いといえよう。

『アイズ』はホラー映画だが、オリジナルに比べ、笑ってしまうほど怖さを感じられない。虫の居所の悪いカオナシのような死神のデザインもダメだし、最大のキモたるラストシーンの迫力も弱い。この手の話はアジア的なしんみりした恐怖がポイントとなるが、やはり欧米人が作るとうまくない。外人に味噌汁を作らせるようなものか。

そこで、仕方がないからジェシカ・アルバでも眺めて目の保養にするかと思うわけだが、この人は何歳になっても美貌を失わないミシェル・ファイファーのような妖怪と違い、どうも美しさのピークが短いタイプの女優らしい。

まだ27歳くらいのはずだが、ドアップ多用の本作での肌の荒れ具合を見るに、あの独特の可愛らしさも下降気味という印象。それでも、もともと演じる予定だったレニー・ゼルウィガーよりは適役と思うが。余談だが、入浴シーンの無駄にエロい撮り方には笑った。スタイルが整いすぎているので、ボディダブルに違いないのだが。

……と、映画の本筋と関係ない話が続いているあたりから、出来のほうも察していただければと願う次第である。

the EYE (アイ) デラックス版
シリーズでこれだけは結構見られます。最後はビックリ。
瞳の中の訪問者 デラックス版
手塚治虫原作。面白いかどうかは別にして、まあなんというか……。


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