『ストリート・レーサー』40点(100点満点中)
STREETRACERS 2008年9月6日(土)、池袋シネマサンシャイン他にて全国ロードショー 2008年/ロシア/カラー/113分/配給:クロックワークス
監督・脚本:オレグ・フェセンコ、アクション監督:ヴィクトル・イワノフ 出演:アレクセイ・チャドフ、マリア・アレクサンドロワ、スタニスコフ・ボンダレンコ

ロシアで大ヒットしたカーアクション

クルマ映画はDVD稼働率が意外と高く、一定のファン層が存在する。ロシアで大ヒットしたこの「ストリート・レーサー」は、文字通り公道におけるカーレースが楽しめるアクションムービー。ロシア国内(サンクトペテルブルグ)の実際の公道で撮影したり、本物のフェラーリが登場するなどCGや特撮に頼らぬ姿勢が売り物だ。

軍の戦車乗りだったステパン(アレクセイ・チャドフ)は、除隊後に父親の自動車修理工場で働き始める。そこで出会った美しいカーチャ(マリーナ・アレクサンドロワ)には、賭けレースの元締めの彼氏がおり、ステパンの腕を見込んで引き入れようとするのだった。

やけに運転の荒い若者たちが多数登場する、交通安全週間にはみない方がよいであろう娯楽映画。

この作品のアクション監督は、『ボーン・スプレマシー』のカースタントチームの一員として、トーラス・ワールド・スタント・アワード(スタント業界における権威ある賞)を受賞したヴィクトール・イワノフ。そのおかげもあってか、どのレースシーンも平均よりはちょっとだけ良くできている。冒頭の戦車が爆走するシーンや、巨大なトレーラーとスポーツカー集団がおしくらまんじゅうをする場面などは、いまいち垢抜けないもののそれなりに楽しめる。

フェラーリF348は、素人目にもわかりやすいグッドルッキングなクルマなのでこの手の映画に時折登場するが、本作では日本のフェアレディZと一騎打ちを行う。やけに価格差があるような気がするが、それがメインディッシュとなる。

「ストリート・レーサー」はサービス精神旺盛で、レースシークエンスの数がとても多い。しかし、個人的にはその数を減らし、また登場する車種のグレードを下げてもいいから、もう少し手の込んだ見せ場作りをしたら良いと思う。ハリウッドと違って予算に余裕がないのだから、戦力の逐次投入は避けた方がいい。

本国ロシアでは、元モデルの主演女優が人気者ということもあって大ヒットしたが、日本では映画の内容だけで勝負するにはちと弱い。もっとも、DVDを「ながら見」するような形で鑑賞するなら、この程度で十分といえなくもないのだが。

ボーン・スプレマシー
本作のカースタントが受賞対象となりました。
Red Line 1/43スケール フェラーリ 599 GTB FIORANO フランクフルトモーターショー 2007
現行のフラッグシップ。フェラーリ!ってなイメージはF348の方がある気がしますが。


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