『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』60点(100点満点中)
2008年6月28日(土)〜 渋谷Q-AX シネマにてレイトショー ※ほか順次拡大予定 2008/日本/カラー/88分/配給:東映ビデオ
監督:小林啓一 キャスト:かでなれおん、森下悠里、
中村知世、高野八誠
大きなオッパイが好きな人のためのフルコース
巨乳はバカだなどと良く言われるが、あれはむしろ、「おバカな巨乳の女の子はカワイイ」という男性心理を誰かが誤解して受け取ったのではないかと思う。
警察組織では解決できぬ難事件を担当する、えりすぐりの秘密潜入捜査官「ワイルドキャッツ」。今回も腕利きのコンビ、クールな先輩捜査官ハニー(かでなれおん)と、おっとり型のバニー(森下悠里)の前に、とてつもない謎が襲い掛かる。なんと清純派アイドル(中村知世)が、イベント中に無意識のうちに服を脱いで全裸になり、引退を余儀なくされたというのだ。
どうやらストリップ光線を浴びたんではないかなどと推理する展開からわかるとおり、思い切りナンセンスなセクシードラマ。お目当てのアイドルが出ている男性が、レイトショーで楽しむノーテンキ娯楽だ。
のっけから丸出しのチープさが漂う。裏社会のオークション会場に重要な国際犯罪者が出没すると聞いて女捜査官二人が潜入するのだが、その会場ときたら汚い倉庫に折りたたみいすを並べただけ。場末のプロレス会場か。
そこで3億、4億を競り合っているのだから説得力が無さ過ぎて笑える。その他のロケ地も、そのへんの児童公園とか運動場とか、出演しているアイドルが気の毒になるほど安っぽい。
もっとも、そんな事に監督らが気を使っていないのは当たり前で、この映画の見所は、多数出てくるグラビアアイドルたちのセクシーなお姿のみ。これに関してはあの手この手で様々な角度から見せまくる。
とくに主演二人のプロポーションときたら常識離れで、現在最強のグラビアアイドル森下悠里などはただでさえ胸がデカいのに、いつも不自然に前かがみの姿勢ばかりとっているため谷間が丸見え。普通の会話場面で女豹のポーズを取り続けている女優なんて初めて見た。
女の子たちの衣装はやたらと凝っていて、パンツは透けてるしお尻も胸も今にもはみ出さんばかりにきつそうで、思わず苦笑。これがグラドルにとってのジャストサイズということなのだろう。
清純派アイドルになるための訓練などといって、まるで必然性の無いスクール体操着姿でジョギングしたり馬とびをしたり、もう目的があからさま過ぎて笑うしかない。物語の設定上はかでなれおんのキャラの方が大きいとされているようだが、実際は森下の方がボリュームたっぷり。バストサイズというより肉量と形容したくなるような、ものすごい揺れっぷりがスローモーションで楽しめる。
彼女と並んでしまうと、爆乳で名高いかでなですら細く見え、あらゆるポーズが綺麗に見える。彼女は久々の芸能界復帰だが、自分の役柄に求められるものをよく理解した堂々たる演技はプロ意識を感じさせる。秋葉原・石丸電気でのイベントシーンは見所のひとつで、開口一番の台詞には爆笑した。かでなの清純派アイドル姿が、これまた意外に似合っていて可愛らしい。アイドルとは民が崇拝する偶像、どうにでも姿を変えられるというわけだ。
ほかにも森下悠里にエロっぽく指と巣昆布をグラインドさせてなめまわさせたり、かでなにはノーブラと思しきほとんど裸のような服で「脱ぎたーい、全裸になりたーい」といったきわどいセリフを言わせたりとやりたい放題。映画と称して、アイドルにセクハラしてるだけじゃないのかと思うほどだ。
これを見終わって私は過ちに気づいた。巨乳がバカなのでも、バカな巨乳がかわいいのでもない。真実はただひとつ。巨乳を好きなオトコがバカなのだ。