『僕の彼女はサイボーグ』採点不能(100点満点中)
2008年5月31日(土)より、サロンパス ルーブル丸の内他全国松竹・東急系にてロードショー
2008年/日本/カラー/120分/配給:ギャガ・コミュニケーションズ powerd by ヒューマックスシネマ
監督:クァク・ジェヨン キャスト:綾瀬はるか、小出恵介
サイボーグの綾瀬はるかとラブラブ同棲?!
『僕の彼女はサイボーグ』は、『猟奇的な彼女』(01年、韓国)のクァク・ジェヨン監督が、綾瀬はるか&小出恵介の魅力をこれまでにないほど引き出したラブコメディの傑作である。しかも見終わった後、多くの人は言葉を失うほどの衝撃を受ける。
21歳の誕生日、モテない大学生のジロー(小出恵介)は、ちょっぴり乱暴な美少女(綾瀬はるか)と再会した。1年前の自分の誕生日に偶然出会い、そのまま去った不思議な女の子だ。しかし今回の彼女は、感情希薄でどこかとんちんかん。じつはコレ、モテない21歳のジローのため、遠い未来の自分が"1年前の彼女"そっくりに作り上げ送り込んだサイボーグだった。
未来の自分から、超高性能ダッチワイフを贈られる青年の気持ちを想像すると泣けてくるが、天然キャラの主人公は深く考えもせず、綾瀬はるか似のロボットと同棲をはじめる。クァク・ジェヨン監督はさぞ日本のコミックやエロゲが好きなのか、よどみない筋運びと繰り出すギャグの的確さには感心する。
ヒロインは100万パワーを制御しきれずときに周りを破壊するが、そんなおっちょこちょいさがかわいらしい。オタクな主人公とは縁遠いオシャレ美人だが、未来の自分にプログラミングされているので、ターミネーター2よろしく危険からは身を挺して守ってくれる。ああ、こういうコって理想的だよね……と、あの監督が胸をときめかせているかと思うと少し気持ち悪い。
綾瀬はるかは監督お気に入りだけあって、そうとう可愛く撮ってもらっている。最大の見せ場は仰向けのままベッドに倒れこむ場面で、ここで監督は真横から彼女のボディラインをしっかりとらえる。推定Eカップ・軟度Aの立派な胸がプリン状に変形するさまをさあ見てくださいといわんばかりだ。私はこのシーンを本年度ベストスローモーション賞に認定する。
小出恵介は、どこからどうみても『猟奇的な彼女』のチャ・テヒョンそのもの。このヘタレキャラに日本男子がどれだけ共感できるかがカギとなろう。
さて、これ以上は事前に情報を仕入れず、予告編すら見ないで劇場にいっていただきたい。そうすれば、後半のストーリーにあなたは絶句し、今年ナンバーワンのトンデモ映画のすべてを堪能できるはずだ。
アホ度100、9割がたドン引き間違いなしの異様な映画。鑑賞後も後を引く仕掛け……。いやはや、こりゃじつに凄いものをみせてもらった。韓国パワー恐るべし。