『デスノート the Last name』55点(100点満点中)

原作を読んでなければ補完しきれぬ矛盾多し

大場つぐみ&小畑健の超人気漫画の実写映画化第1弾は、予想通りの大ヒットとなった。同時に製作されたこの後編の出来栄えやいかに?

名前を書くとその人間が死ぬ"デスノート"で、自分なりの世直しを続けるキラこと夜神月(やがみらいと 藤原竜也)。犯罪の激減で世論もキラ寄りに流れる中、謎の天才探偵L(松山ケンイチ)率いる少数精鋭のキラ対策本部は懸命に捜査を続けていた。やがてLが、その抜群の推理力で月の正体に迫ったとき、二人目のキラが現れる。

この二人目のキラは、前編で示唆されていたとおり、そして原作と同じく、ライトにぞっこんのゴスロリ少女、弥海砂(あまねみさ 戸田恵梨香)だ。月が海砂を徹底的に利用し、邪魔なLを消そうとする展開も原作と同じ。この後編は、その3人の戦いが見所となる。

さて、まずは前編と比べて高い点数についてだが、残念ながら前編より後編の出来が点差の分、良いという意味ではない。まずこの後編は、当然ながら前編を見た人のみがみる映画だ。つまり、あの前編のトホホな出来を踏まえた上で、それなりの"覚悟"を持ってみるわけだから、同じくらいトホホでも、前回ほどの期待はずれ感がないのは当然というわけだ。

なにしろ同じキャストとスタッフで、同時期に作った映画なのだ。本シリーズが、邦画の平均を大きく下回る演技力および演出力によるこども映画=『でちゅのーと』になっている事は、全員がわかっているのだ。というわけで、私もそうした面について、今回はあえて批判しない。誰もが許した上で見に行く要素に、いちいち文句をつける必要はなかろう。

『デスノート the Last name』の本質は、なんと言っても原作とは多少趣向を変えたオチにあるといえるだろう。ここはネタバレなしのサイトだから詳細は書かないが、このオチを見ると、この映画版シリーズが「原作を読んでから見ることを前提」に作られていることがよくわかる。あるいは、製作者にそんな意図はないのかもしれないが、結果的にはそうなっている。

このオチひとつとってみても、まったくもって論理の整合性に難があり悪評高い原作のオチ以上につじつまが合わない。もしも原作漫画を読まずに映画版を見たら、大いに不満がでるだろう。しかしながら、原作既読者にとっては、この結末はなかなかビックリする。すぐれた結末ではないが、驚きだけはある、というわけだ。

しかし、そこ以外には相変わらず不満も残る。たとえば監督は、このラストに自信があったのか、そこに映画の驚きのほとんどを集中させている。そしてその分、それ以外の見せ場の演出が平板になってしまった。ミサがライトのために気を利かせて"取引"する場面など、もっと盛り上げてもよさそうなものなのだが。

結果としては、前作を見終えたとき「後半はきっとこんなもんだろうな」と予測したそのとおりの出来栄え。現在デスノートは、ハリウッドで映画化される可能性が残されているが、その場合はこの映画版のリメイクではなく、なんとしても原作からの実写化に挑戦してもらいたい。もしも日米の映画化の違いを見比べることが出来れば、原作ファンにとってこんなに胸踊る話はないはずだ。

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