『セプテンバー・テープ』20点(100点満点中)
すべて本物と思ってみてください
アメリカ国防総省に撮影テープの提出を求められ、結局8時間分は帰ってこなかった……。そんな衝撃のアフガンロケ映像100%で送る『セプテンバー・テープ』。ニュースでは決して報道されない、戦場の真実が余すところなく収録されたこの恐るべきテープが、ついにこの日本でも公開される。
映画は、アフガニスタンの国境近くで8本のビデオテープが発見されたところから始まる。オサマ・ビン・ラディンを探し出すため、アフガンに潜入していた映画監督ドン・ラーソンが撮影したものだ。彼は、アメリカ政府による渡航禁止令を無視し、カメラマンと現地人のガイドのたった3人で危険地帯に突入。その貴重なテープには、現地で行われた数々のインタビュー、信じがたい彼らの行動のすべてが収められていた。はたしてラーソンたちはどうなってしまったのか。
映画は、この"8本のビデオテープ"が、そのまま8本立てのドキュメンタリータッチのドラマとして編集されている。そこには警察に追われ、ときに収監され、武器商人とのコンタクトから実際の取引模様など、興味深い映像が多々収められている。
最初は普通のルポ映像なのだが、彼らは愛国心その他の理由から、あまりに危険な最前線に参加していく。銃撃戦のさなか、銃弾やロケット弾が飛び交う真っ只中にカメラを持ち込んでいく。
この映画で写っている戦闘場面、銃弾の軌跡、ロケット弾などは、すべて(自称)本物である。登場する武器商人や殺し合いの場面も、当然(自称)本物だ。CGも、一切(自称)使っていない。
すごい場面にカメラを持ち込んでいるのに、なぜか画角が異様に小さいレンズを使い、おまけにブレまくる。はて、なにかまずいものが回りにたくさんあるのかな。せっかく目の前の銃撃戦で死体が出ても、途端にカメラはブレまくり、なぜか肝心な死体が画面の中に入ってこない。ああ、どうしてなんでしょう。待ちに待ったスクープ映像なのに。ボクにはわかりません。
いや、これはすべて、貴重な命がけのビデオテープ。国防総省がNGを出した驚愕の真実。皆さんも、露ほども疑わず、見に行ってください。なんにせよ、こんな企画を本当にアフガンまで行ってやってきたというのにはあきれ、いや驚いた。