『デュエリスト』10点(100点満点中)

90パーセントくらいがスローモーションじゃないのか

韓流ブームが去り、本来公開されるはずもなかった、ゴミのような韓国映画の消化ゲームがはじまっている今日この頃であるが、この『デュエリスト』もその他の例に漏れず、年間MVP級のダメ映画である。

朝鮮の王朝時代が舞台。主人公の女刑事(ハ・ジウォン)は、偽金事件の潜入捜査中、謎めいた刺客(カン・ドンウォン)と出会う。結局その場では取り逃がすが、まるで運命のように何度も出会い、そのたびに決闘する二人であった……。

やたらと気の強い女が、イケメンで穏やかで中世的な男と、会うたびに殺し合いながら、そのうち恋をするというお話だ。ハ・ジウォンは、どこからどうみても時代劇の登場人物には見えず、外見もふるまいも現代人そのもの。何もかもわざとらしくて、叫んでばかりのダメ演技で、かわいらしさもゼロ。始まって5分でこちらは脱力である。

アクションも、一日10時間練習したらしいが、それが本当だとしたら、気の毒だが才能がないというほかない。剣の戦いにおいては、振り付け自体もいまいちで、ただその場で回っているだけといった、実戦性ゼロのもの。みてくれ重視のアクションが悪いわけでは決してないが、この映画の場合、そこにある種の様式美などが感じられず、安っぽいだけ。これは、アクションコーディネーターの責任か。

編集もぶった切りで、話の流れが非常にわかりにくい。どうしてこんな切り方をするのかと不思議に思う。そのくせ、ワイプや意味不明のズーミングなど、行き当たりばったりで特殊な演出技法を多用するものだから、うっとうしくて仕方がない。

しかし、そんな事よりもっと重大な問題がある。それは、この映画はとにかくやたらと、スローモーションを使いすぎ、ということだ。韓国映画はただでさえこいつが大好きだが、この映画の使い方はほとんど常軌を逸している。とにかくバカのひとつ覚えみたいに、ひまさえあればスロー、スロー。全体の9割くらいはスローモーションじゃないのかね。

確かにアクション映画の演出にスローモーションは付き物かもしれないが、この技法を使うためには、「スローモーションは時間を延ばし、薄めているのだ」という自覚が必要だ。効果も高いが、諸刃の剣でもあることを、監督は知らねばならない。この映画のスロー部分を等速にしたら、たぶん45分くらいで全上映時間終了だ。それを2時間に伸ばしているようなものなのである。

それにしても、たまの映画鑑賞でこんな作品にあたってしまったら、それはもう不幸以外の何ものでもない。一年に50本見る人なら、笑い話のネタですむが、本気で迫力のあるアクション映画+泣けるラブストーリーなんぞを期待していく人がいたら、正直、シャレにならない。まあ、ここまで読めばさすがに心の準備はできているだろうから、問題ないとは思うが……。

 
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