『THE MYTH 神話』50点(100点満点中)

ジャッキー異色作

ジャッキー・チェンといえば、クンフー映画やコミカルな現代劇で、独特のアクションを見せてくれる大スター。ところが、意外なことに歴史もの、特に武侠アクションといわれるジャンルは未踏であった。『THE MYTH 神話』は、そんな彼がはじめて挑戦した、香港=中国合作の武侠アクション映画だ。

映画は、2200年前、秦の始皇帝の時代に生きるジャッキー(皇帝の将軍役)と、現代のジャッキー(考古学者役)のストーリーが交互に展開する。2200年前の物語は、考古学者が見る奇妙な夢の物語として描かれる。二つのストーリーは、2200年前のジャッキーが警護していた姫(キム・ヒソン)の存在により、最終的に一つにまとまり、感動のラストを迎える。なかなか壮大な構成で、一言でいうと、数千年にわたる愛の物語となっている。

歴史ものと、現代アクションを同時に見られるようなもので、なかなかお得感がある一本だ。まず、まじめで行動的な考古学者役のジャッキーは、寺院で大立ち回りを演じたり、インドの美女(マリカ・シェラワットという、人気上昇中のナイスバディなインド人女優が演じている)に助けられたりと、相変わらずの大活躍。

そして、2200年前のジャッキーは、無敵の将軍としての強さと忠臣ぶりが、いつものキャラクターにぴったり。韓流ドラマ「悲しき恋歌」のキム・ヒソン(韓国きっての美人女優といわれている。エンドロールのNG集にも登場)をヒロインに、永遠の愛を誓う。

どちらのジャッキーも、今回はお笑い色なし。アクションには彼らしいアイデアと、ユーモアある動きも見られるが、基本的にはシリアス演技のみだ。

クライマックスは、ファンタジックな無重力空間での格闘。ワイヤーワークを駆使したもので見ごたえがある。これを見ると、舞台となる始皇帝の地下宮殿というものは、やはり中国人にとって最高のロマンなのだなとよくわかる。しかし、実はそれよりも、2200年前のジャッキー最後の戦いが、ファンには好評となりそうだ。立ち回りの美しさ、アクション時の表情など、それはもう、文句なしの見事なものだ。

とはいえ、個人的にはジャッキーに、血しぶきが飛び散る生々しい戦いは似合わないように思える。特にこの映画の戦争シーンは、少々残酷な直接描写が多い。気分よくスカっと見られる、今までのジャッキーアクション映画ではないので、注意が必要だ。

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権利関係がごちゃごちゃしているため、今となっては観るのも難しい初期のクンフー作品を、デジタルリマスターの高画質で見られるようになりました。パッケージ写真のジャッキーの肉体も凄い!


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