『秘密のかけら』40点(100点満点中)

題材に興味がない人をひきつけるパワーに欠ける

『秘密のかけら』は、70年代のアメリカショービジネスの世界を舞台にした、ミステリードラマだ。エロティックな場面が多く、米国ではNC-17指定(17歳以下は鑑賞禁止)となり、日本でもR-18指定(18歳未満鑑賞禁止)になっている。

舞台は72年のロサンゼルス。主人公の女性ジャーナリスト(アリソン・ローマン)は、セレブの暴露本を出版し、名を売ろうと考えていた。彼女がその対象に選んだのは、少女時代に多大な影響を受けたデュオ、ラニー・モリス(ケヴィン・ベーコン)とヴィンス・コリンズ(コリン・ファース)。彼らがコンビを解消する原因となった、ある女性の全裸殺人事件の真相を、彼女はどうしても暴きたいのだった。

その取材過程で、主人公はかつて自分の英雄だったスターの真の姿に幻滅し、徐々に明らかになっていく驚愕の真相に、これまでの価値観を揺さぶられていく。

……とはいうものの、この時代のショービズ界を直接知らない者にとっては、あまり驚くような内容でもない。これは一般的なイメージとして、あのころは今以上に何でもアリだったんじゃないの? という思いが強いためだ。一応実話をベースにしたストーリーとの事ではあるが、はたしてどこまでが真実なのか。

主演のアリソン・ローマンは、『ホワイト・オランダー』や『マッチスティック・メン』などに出演している若手女優で、これまでは童顔の少女のイメージが強かった。しかし、本作ではヌードどころか、過激な濡れ場でさらにエロエロな演技まで見せている。この方が、物語の結末より意外性が強いというのは皮肉である。ただし、全体的な無表情、無感情っぽいムードは内容になじんでいない印象も残る。

結局のところ、ラニー・モリスもヴィンス・コリンズも知らない世代を、物語への興味だけでひきつけるほどのパワーはないというのが、この映画に対する正直な感想だ。



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