『イントゥ・ザ・ブルー』70点(100点満点中)

バハマの風景を気楽に楽しめるアクション映画

人気急上昇中の女優ジェシカ・アルバ主演の海洋アドベンチャー&サスペンス。

バハマでダイビング・インストラクターをしている主人公(ポール・ウォーカー)は、いつか沈没船を発見し、億万長者になることを夢見ている。そんなある日、彼が、まじめで美しいガールフレンド(J・アルバ)、親友カップルの4人とダイビングをしていると、前夜のハリケーンで海底から顔を出した中世の沈没船を偶然発見する。ところが隣には、先日墜落した、麻薬満載のマフィアの航空機も沈没していたのだった。

さて、4人は無事、マフィアや警察、ライバルのトレジャーハンターの目をくぐりぬけ、無事沈没船の権利を手にすることができるのか?! という楽しいアドベンチャー映画だ。

この映画の見所は、まず美しい水中撮影があげられる。前作「ブルー・クラッシュ」でサーフィンの見事な場面を撮影した監督が、さらに力を入れて挑んだというこの映画は、ダイビングファンならずとも楽しめる見事な映像になっている。

実は撮影したのは冬で、役者はせいぜい20分間しか潜れないほど寒かったというが、あえてウェットスーツなどは着用せず、ジェシカ・アルバもビキニ一枚でがんばった。マスクもつけず、フリーダイビングをしているのも、役者の顔やカラダをしっかり見てもらいたいという監督の演出意図によるものだ。そしてカメラマンは見事その期待(?)にこたえ、ジェシカさんの超ナイスバディを、文字通りお尻を追いかける形できっちり画面に切り取った。ジェシカ・アルバも、お尻にくいこむ水着を直そうともせず(わざと?)、自信満々にその肢体を見せ付けてくれる。

次の見所は、沈没船引き上げに関するディテールの面白さ。実際カリブ海では、15〜18世紀の間に500隻以上のスペイン・ガリオン船(商用大型帆船)が沈んだともいわれており、それらを狙うトレジャーハンターも実在する。85年には、メル・フィッシャーという人が、わずか水深17mの海底で沈没船を発見、4億ドルものお宝を手に入れた。

この映画の中でも、ハリケーンにより現れた沈没船を、主人公たちが浅い海底で発見するが、あながち夢物語というわけでもないのである。そして、その後彼らが行う法的手続きや具体的作業は、どれも興味深く見ることができる。沈没船の権利を得るために、ああいうことをしなければならないとは、私はついぞ知らなかった。

こうした要素にくわえ、銃撃戦やカーチェイス、サメから逃げるなどのアクションシーンが多々織り込まれているのがこの『イントゥ・ザ・ブルー』の特徴だ。それなりに筋がとおった脚本だから、子供っぽいこともない。大人が見て楽しめるエンタテイメントになっている。

それほど期待していなかったから余計に楽しめたというのもあるが、それを差っぴいてもダイビングと宝捜しをネタにこれだけ色々なアイデアを見せてくれれば十分ではないか。今週一番楽しめる映画として、私はこの作品をおすすめしたい。



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