『ホステージ』55点(100点満点中)

からくり屋敷でバカ若者が大騒ぎ

ブルース・ウィリス主演のアクション映画。監督は彼のオススメということでフランスのフローラン・エミリオ・シリが起用され、この手のハリウッド大作にしてはちょっとした個性を与えられている。

かつてロス市警きっての交渉人だった主人公(B・ウィリス)は、任務の失敗によるトラウマから現在では平和な田舎町の署長に異動し、静かな日々を過ごしている。そんなある日、完璧な防犯設備を持ち丘のてっぺんに建つ、要塞のような富豪の屋敷に犯罪者が篭城する事件が起きる。

原作はアマゾンドットコムの2000年度のベストミステリに選ばれた作品で、それを読んだブルースがたいそう気に入ったことから始まった企画らしい。彼は翌朝から交渉をはじめ、夕方にはすでに映画化権を買っていたというのだからすごい。映画版では登場人物やエピソードを大幅に削り、シンプルな物語に構成しなおしてある。こじんまりとうまくまとめたが、終わってみれば予想通りのお話といった平凡な印象であった。

犯人グループが篭城する屋敷には内部をしりつくしたその家の息子も人質に取られており、途中からその少年は犯人の目を盗んで通気口などを逃げ回り、携帯電話で主人公刑事と連絡を取り合い協力する。まるでB・ウィリスの出世作「ダイハード」の構図をひっくり返したような展開だが、期待したほど二人の交流はなく、あの作品ほどの感動が待っているわけではない。群像劇として多数の登場人物たちを追うんだか、ブルースのワンマン映画にするのかが中途半端なので、どうにも収まりが悪い。

この映画に登場するSWATチームは話によるとみな本物ということなので、さすがに動きが違う。ただ、登場場面が少ないので十分にそれを味わえないのが残念。

まあ、この映画を一言でいえば、「ハイテクからくり屋敷に押し入ったバカ若者3人組」といったところだ。見終わって10分以内にきっと内容の9割くらいは頭から消えていることだろう。

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ブルース・ウィリスのアクション最高傑作はやっぱりコレでしょう。何度見ても男泣きできる傑作。


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