『ワンダーランド』70点(100点満点中)

35センチのペニスを持つ男

アメリカの伝説的ポルノキング、ジョン・ホームズがかかわったとされる未解決殺人事件の真相に迫ったドラマ。

1981年、ロスのワンダーランド通りで殺人事件が起こった。捜査が進むうちに、かつてポルノ王と呼ばれた男優(ヴァル・キルマー)が関与しているらしいことがわかる。が、関係者の証言はそれぞれ行き違い、謎はより深まっていく。

迷宮入りした実際の事件を、関係者に取材して描いたドラマだ。主人公となるのは実在のポルノスター、ジョン・ホームズで、彼は映画『ブギーナイツ』の主人公としても有名だ。この『ワンダーランド』を見る際も、先に『ブギーナイツ』を見るなどしてある程度この男についての予備知識を持っておくと、何倍も楽しめること間違いない。何しろこの映画を一言でいえば「もうひとつのブギーナイツ」とでもいった按配なのだから。

事件関係者の証言によって、そのホームズの性格や行動までもガラリとかわってくる。どれが本当におきたことなのか、観客の推理も迷走する。やがて監督がそれとなくほのめかす結論に、「う〜んなるほど」とうならされて映画は終わる。ラストに提示されるテロップに、観客はちょっとしたショックを受けるようにできている。

映像は時代感をよく出したすばらしいもので、いかにも70〜80年代といった雰囲気がよく出ている。もっとすばらしいのは主人公ホームズのアレで、なんと長さ35cmだという。巨根にもほどがある。でも一番すばらしいのは14000人もの女性たちが、そんな彼とちゃんとできたという生物学的発見だ。おんなのひとってフシギだね。

話だけ聞くと、一見退屈な印象かもしれないが、「ワンダーランド」は意外なほど引き込まれるドラマだ。事件の真相への興味もさる事ながら、加藤鷹をさらに何倍かスケールアップしたような規格外のポルノ男優の破天荒な生き方に、何より興味を引かれるのである。逆にいえば、そういう世界に興味のない方は無理してみることはないということなのだが。

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文中で私が書いている作品がこれです。アメリカポルノ業界の内幕を描いた、じつに見所のある一本です。


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