『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』60点(100点満点中)

ミステリを期待せぬほうが良い

フランス製アクション+ミステリ映画の第二弾。猟奇殺人事件の謎に、人気俳優ジャン・レノ扮する刑事が挑む。

壁に埋め込まれた死体、狂信的な宗教集団、大戦時代の遺物……ビジュアル的にインパクトあるアイテムを散りばめ、シリーズ独特の陰鬱なムードを高めている。

この続編ではアクションシーンの派手さがパワーアップ。派手な爆発や銃撃戦、狭いトンネルの中押し寄せる水からの脱出劇等、フランス映画ながらアメリカ映画的な派手さを持つあたり、いかにもリュック・ベッソンの脚本らしい。こうした中で、主演のジャン・レノの渋い魅力も存分に発揮されている。

とはいえ、ストーリーにおけるミステリ要素はBクラス。殺害理由やメインの謎解きに、説得力や驚きが感じにくい。個々のアクションの見せ場と、宗教的で薄気味悪い雰囲気、ジャン・レノのカッコ良さを気楽に楽しむ映画と考えてみたほうが良い。



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