『着信アリ』60点(100点満点中)

ホントに怖い

携帯電話を題材にしたホラー映画。この手の和製ホラームービーが量産される中、『着信アリ』はそこそこ怖くて面白い一本だ。この流行の原点のひとつには『リング』という名作があるが、あれほどの意外性や完成度の高さはないものの、なかなかよくできている。

携帯の着メロ、電車、テレビ番組など、身近なものを上手に恐怖のネタとして使っており、特に若者にとってはとっつきやすい映画になっている。とにかく「観客を怖がらせる」という一点を突き詰めており、その明快さが好ましい。

主演の柴咲コウは、女を感じさせない美人であるが、そんなところが本作の雰囲気にはぴったりで好感が持てる。以前知り合いと「日本で一番の美人は誰か?」という話題で議論したことがあるが、私の推す仲間由紀恵と相手の推す柴咲コウで最後まで結論が出なかったことがある。

思えばどちらもあまり「色っぽさ」とは無縁の女優だ。女性の顔もあまりに整うと、俗っぽい欲求など感じなくなるのかもしれない。ちなみに私は、君は日本一の美人だよと、二人きりになった女性全員に言っている。また、映画とまったく関係ない事を書いてしまった。

さて、『着信アリ』は、登場人物たちのいやに残酷でぶっとんだ死に方と、なかなか終わらないこわーいシーンの連続を楽しむ映画。ホラー映画としてのムード作りもうまく、これはなかなかの掘り出し物であった。本作は好評を博し、その後続編も企画された。しかしこの1作目が一番面白いから、見るならこれを最初にどうぞ。



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