『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』70点(100点満点中)
前作から大幅に良くなった「実写版エヴァ」?
2002年の『ゴジラ×メカゴジラ』と同じ監督による、純粋なる続編。前作に引き続き、自衛隊全面協力による迫力映像と、修理を終えた機龍(メカゴジラ)とゴジラとの再戦が見所だ。
前作は、自衛隊の協力を得て撮影した本物の兵器群の映像と、特撮映像の見た目の落差が激しく、興ざめしてしまう部分が最大の弱点であったが、今回はそれに関しては何も感じなかった。前作での良くない部分を研究した成果が見えるようで、非常に好感が持てる。結果、全体的なリアリティが増し、なかなか見ごたえのある娯楽作品に仕上がった。
チラッと出演するだけの釈由美子に比べ、新しいヒロインの吉岡美穂はかなり影が薄いが、モスラを歌声で呼ぶ(旧作のファンには)おなじみの二人組の女の子役がなかなか可愛らしく、お客さんの目を楽しませる。割れた腹直筋がまぶしい。
バトルシーンは、冒頭のF-15イーグル戦闘機とモスラの接近戦など、迫力ある見せ場がたくさんあって面白い。中でも、日本防衛の最後の砦イージス艦が、ゴジラに戦いを挑むシーンがあるが、不利な近距離戦だというのに互角の戦いを見せ、なかなか興奮する。国会や東京タワーはあっけなく踏み潰されるというのに、映画の中とはいえ、イージスを簡単に沈ませるのはさすがに海自が許さなかったか?
アニメ『エヴァンゲリオン』の影響を多大に受けている最近2作のゴジラシリーズだが、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』は、これはこれでなかなか面白いと思わせる出来映えである。
エンドロールの後に、なかなか面白いシーンがあるので、最後までお見逃しなく。また、前作の鑑賞は今回に関しては必須だ。