『ケイティ』40点(100点満点中)
アメリカの大学の様子が知りたい人に
アメリカの大学を舞台にしたサスペンスドラマ。
『ケイティ』がどうにもぱっとしないのは、サスペンスとしての出来がよくないからだ。メイントリックなど、使い古しもいいところ。犯人の演技があまりにはまりすぎという事もあり、相当早い時期から結末がバレバレだ。この映画のストーリーは、ミステリ小説だったらまずボツだろう。
観客の目を最後までくぎ付けにするためには(すなわち、オチがばれない程度に伏線を張るためには)、演出面にさらなる工夫が必要。この映画の監督は、これが初の監督仕事だそうだから、このあたりに改善の余地がある。とはいえ見ている客にとって、そんなことは関係ない。つまらんと判断されればそれで終わりというのが厳しい現実だ。
『ケイティ』の主人公は、成績優秀な女子大生ということで、彼女を中心にしたアメリカのキャンバスライフが写実的に描かれている。時期的には、就職活動真っ最中という設定なので、あちらの一流企業の面接の様子など、なかなか興味深い場面があったりする。こうした描写はなかなか新鮮で、ほうと思わせる。
とはいえ、やはりほかに際立った見所があるわけでもないので、主演女優のファンであるとか、マッキンゼーの就職試験の様子を見たいとか、何か引っかかるものがある人以外には、あまり積極的にすすめる気にはなれない。