『ルールズ・オブ・アトラクション』60点(100点満点中)

役者に個性があるし、すんなり物語にも入っていける

アメリカのニュー・ロスト・ジェネレーション作家、ブレット・イーストン・エリス原作による、『レス・ザン・ゼロ』『アメリカン・サイコ』の間にはいる、3部作のちょうどPART2にあたる映画。

『ルールズ・オブ・アトラクション』が、一番最後に映画化された理由は、この原作小説の構成が、いくつかの物語を同時進行させるという複雑なものだったためだそうだ。だから、これを映像化するにあたっては、演出面でも、ちょっと変わったアイデアが使われている。

時間軸を大胆に交互させるこのアイデアは、この映画の監督が『パルプ・フィクション』の脚本家であるときけば、なんとなく納得が行く。あちらも、時間軸を大胆に入れ替えた構成が有名な映画である。

次なる見所は、選曲がコアな音楽ファン向けの、とても凝ったものだという点だろう。私はそこまで熱心なタイプではないから曲名がすらすら出て来るわけではないが、センスの良さは多いに感じられた。

もうひとつ、アメリカで人気者の若手スターたちが、セックスシーンを含めた過激な演技をしているという特徴もあるが、こちらは平均的日本人にとっては別になんて事はあるまい。彼らの人気者ぶりを知っていなければ、その貴重さもわからないと言うわけだ。むしろ、微妙にヌードを避けたようなカメラの動きは、潔さが足りないと感じることだろう。

まとめとしては、一昔前の日本のテレビドラマで良くあった、男女の三角〜多角関係を描いたトレンディドラマを、アメリカで作ればこんな感じかな、といったところだ。

ブレット・イーストン・エリスのファンと、サウンドトラックリストに興味がある方にとっては、一見の価値がある映画といえるだろう。



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