『ボブ・クレイン 快楽を知ったTVスター』50点(100点満点中)

ハメ撮りプレイのパイオニアの悲惨な末路

実在のテレビスター、ボブ・クレインのスキャンダラスな人生を描いた伝記的ドラマ。謎の死についても、それとなく真相をほのめかしている。

巨乳好き、乱交・相互鑑賞プレイ好き、ハメ撮り大好きというわかりやすい性癖を持つ彼。偶然出会った同好の士(ウィレム・デフォー)のおかげで、女達や機材を揃える手段を得たボブは、どんどん暴走して行く。そして最後は、非業の死を遂げるというわけである。

まあ、この手の性癖を持つ人は、いまではさほど珍しいものではなく、実際経験のある方も多いだろうが、ホームビデオすら普及していなかったこの当時では、彼らはまさに先駆け、パイオニアである。ましてテレビスターがこんなことをしているとわかったら、そりゃもう大変なスキャンダルだったことだろう。

成功と凋落、有名になる事から生まれるストレスと特殊な性癖。こういう男を見て、どう思うかというのが監督の問いかけである。

まあレイトショーで見る分には、セクシーシーンあり、わかりやすい筋で気楽に見れるしという事で、なかなかピッタリくる作品かもしれない。



連絡は前田有一(webmaster@maeda-y.com 映画批評家)まで
©2003 by Yuichi Maeda. All rights reserved.