『ひめごと』30点(100点満点中)

フランスのプロが選んだナンバーワン作品

フランスの映画雑誌『カイエ・デュ・シネマ』で、その年のベストワンに輝いたフランス映画。アーティスティックな映像でエロスを描く、R-18指定の作品である。この雑誌のベスト10には、じつに個性的な顔ぶれが揃うが、その中の1位であるから、『ひめごと』も相当変わった映画である。

主人公は、美しい二人の若い女性。二人はその美貌で、世の中の男どもを支配してやりたい、と決意する。そのために彼女たちはありとあらゆることをするが、ただひとつ恋に落ちることだけは禁じていた。しかし、ある男に近づいた時、ふたりのシナリオはついに終焉を迎える。

エロティックな映画という事で話題だが、裸は出るが、さほど過激なものではない。女が露出の性癖に目覚め、やがて自身の肉体を利用して、のしあがろうとするお話である。

風格のある芸術的な映画ではあるが、ストーリーは現実性が薄く、幻想的とも言えるもの。後半になると、その度合いもどんどん上がっていき、ハチャメチャな結末まで一直線に暴走する。フランス人のセンスは変わっているなあとあきれるやら感心するやらだ。

正直、これが一位と言われると首をひねるばかりであるが、かの雑誌を定期購読するような読者層にはなにかしら、訴えるところがあるのだろう。



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