『恋は邪魔者』65点(100点満点中)
音楽、ファッション、主演スターを楽しむ映画
レニー・ゼルウィガー&ユアン・マクレガーという、人気者2人が競演する、ちょっぴりセクシーなラブコメディ。この2人の名前に反応するのは、月刊の女性誌なんかをよく読んでいる、ちょっとおしゃれな30代の女性といったところだろう。そう考えてみると、『恋は邪魔者』は、そうした客層が喜ぶ要素を兼ね備えた映画といえる。
60年代のファッション、インテリア、音楽、これらの要素がなにより目を引く。カラフルでノー天気で、とても楽しい映画である。レニーが着替える30着以上といわれるファッションを見ているだけでも、それなりに満足できるだろう。鳴りっぱなしの音楽に身をゆだね、テンポ良く進んでいく物語を堪能するのも悪くない。
ただ、ストーリーがひっくり返る、ある1点から先が、どうも引っかかるというか、筋が通らないなあと感じる。これが、『恋は邪魔者』唯一の難点といえる。ずっと楽しかった気持ちが、この時点から一瞬すっと引いてしまう人も多い事だろう。
だから、この映画は物語の充実よりも、ビジュアル面に期待し、そこで満足しようという心がまえで見に行くのが正しい。オフィシャルサイトなどをみて、「こういうセンス大好き!」と感じた方なら、きっと大丈夫だろう。