『サンダーパンツ!』70点(100点満点中)

大爆笑の映画だが、後半が惜しい

『ハリーポッター』シリーズのロン役の男の子が主演の、イギリス製コメディ。これも『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』同様、やや子供向けの映画と言えるだろう。ただ、こちらの方が、大人が見ても楽しめる要素が多い。

それにしても、映画が始まって1分間で、いきなりオナラを10発以上聞かせるとは、おそらくギネスブック級の記録であろう。のっけから笑わせてくれる。

オナラがですぎるという主人公の病気(?)は、オナラを動力に変換する親友の発明品(サンダーパンツ)により、やがて世界の危機を救うところまで行ってしまう。

その過程では、やたらと大げさなスローモーションやフルオーケストラの音楽、あまりにばかばかしい使い方のCG等により、腹が痛くなるほど笑わせてくれる。

しかし、物語の底には、「一見マイナスな特徴(オナラ)を、『自らの個性』として認める事で、少年が成長する」という、まっとうなテーマが流れている。教育上も非常に良い映画と言うわけである。飛びっきりマイナスすぎる『個性』のおかげで、このテーマはより際立っている。

ただ、後半が少々強引でまとまりが悪く、そこが残念である。私が思うに、子供は主人公の二人だけ出せば十分。彼らが大人のなかで孤軍奮闘する話の方が、すんなりおさまる気がする。まだ脚本の練りこみが足りない印象だ。とはいえ、子供の出る映画が好きな方なら、この映画はきっと楽しめるだろう。主演の男の子二人の演技力が抜群だし、ギャグも抜群に面白い。



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