『レッド・サイレン』60点(100点満点中)
美男美女ぞろいのキャストが満足度を押し上げる
フランスのサスペンス・アクション映画。全編英語による、全世界向け作品という事もあって、比較的わかりやすい娯楽作品になっている。
戦争で少年を誤射したことがトラウマになっている元傭兵が、偶然出会った12歳の少女を殺し屋から守るというストーリーは、ちょいとどこかで見たような構図ではあるが、まあ、普通に面白い。
スナッフビデオ(本物の殺人場面を収めたビデオ)やユーロマフィアといった、興味深い題材を使ってはいるものの、それほど深く突っ込んで描くことはせず(そこまでの余裕はなかったか?)、平凡な出来なのが惜しい。
ただ、少ない出演者がみな印象的で、特に物語の中心となる役者が美男美女ばかりなので、目にたいへん良い。キャラクターも、客が感情移入しやすい素直な作り。男性が見ても、女性が見ても、共感出来る人物が必ずいるので安心だ。
最大の見所は、ホテルでの銃撃シーン。暗闇の中、赤外線スコープを装着したライフルを駆使する主人公チーム対、グレネードランチャー付き小銃という重装備の敵チームのドンパチは、緊迫感がある上にスタイリッシュでなかなかだ。
真っ暗闇のシーンが最大の見所という事で、この映画に興味のある方は映画館で見た方が良いだろう。こうした映画を普通のテレビモニターで見ると、場合によっては画面の細部が真っ黒につぶれて、何がなんだかわからなくなる可能性がある。今どきはレディースデーなど、割引プランがたくさんあるから、気軽に劇場に出かけて大画面と音響を楽しんだ方がお得だと思う。