『ロッカーズ』60点(100点満点中)
陣内ファンなら楽しめる

タレントの陣内孝則がはじめてメガホンを取った自伝的作品。亡くなったバンド仲間に捧げられている。バンドで一旗あげようと悪戦苦闘する若者の姿を、勢い良く描く。
陣内監督のカラーが非常に強く出た映画である。下品ながらも明るい下ネタ、スラップスティックなギャグが連発されるあたり、ラジオやテレビで見られる、彼の個性そのものといった感じを受ける。まあ、なんと言ってもこれは自伝なのだから、それも当然なのだが。タレントとしての彼のファンならば、期待を裏切られる事なく、楽しんで見られる映画である事は間違いない。
逆に言えば、彼のファンで無い観客にとっては、あえて見に行くほどの何かがあるわけではない。『ロッカーズ』はまさに陣内孝則そのものであり、彼を受け入れられるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの全てと言ってよい。
対象となる年齢層も30代以上といったところだ。若すぎる観客には、この時代の持つ独特の味わい、魅力などは伝わりにくいだろう。