『ブラックマスク2』35点(100点満点中)

バカらしさと胡散臭さが魅力的

マトリックスのアクションを作ったユアン・ウーピンがアクション監督を担当した、香港アクション映画。前作のリー・リンチェイ(=ジェット・リー)に代わり、主演は『ジェット・リーを超えた後継者』ことアンディ・オン……だそうである。宣伝文句の先走りようが実に素晴らしいではないか。

CGやワイヤーワーク、そして着ぐるみ怪獣まで出るという、実に香港映画らしい(?)怪しげなB級テイスト溢れる、ゆるいアクション映画である。

だいたい、『ジェット・リーを超えたアクション』といったって、あんなにワイヤーで吊りまくってるんじゃ、主役のアンディ・オン氏本人が凄いのかどうか、さっぱりわからないではないか。あれだけ吊ってりゃ、伊集院光がやったって同じだと思うのだが。

アクション指導がユアン・ウーピンとはいえ、『マトリックス』の片手間にやってるんじゃないかと思えるほどテキトーにみえる。本作の彼は、とにかく俳優をワイヤーで振りまわせばいいと思ってるふしがある。

敵の切り札、最終兵器なる爆弾の中身も笑える。それが爆発すると、まわりの人が全員動物になるんだそうである。ドラえもんに同じ道具があった気がするが、この発想自体が素晴らしいではないか。

出てくる日本人もウソ臭くて笑えるし、なかなか見所、つっこみ所の多い映画である。この手の映画には高い点数をつけにくいが、個人的にこういうバカバカしい映画は好きだ。独特のうさん臭さを楽しめる余裕のある方に、オススメしたい一本といえる。



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