『閉ざされた森』50点(100点満点中)
まずは、登場人物の顔と名前を一致させること
『ダイ・ハード』『レッド・オクトーバーを追え!』のジョン・マクティアナン監督による、はじめてのサスペンス作品。
『シックス・センス』や『ユージュアル・サスペクツ』といった、最後にドカーン型ではなく、話の途中で新事実が発覚するたびに、二度三度と真相の姿ががらりと変わりゆく『羅生門』型のサスペンスだ。どんでん返しがおこるたびに、ふりだしに戻って真相解明のやりなおしだから、実に疲れる。脳みその酸素必要量の多い映画だ。
そんなわけで、『閉ざされた森』は、頭の調子が良いときに挑むべき映画である。ミステリ好きが本気で真相解明に挑戦する事ができるパズラー的映画であり、普通の人がのほほんと見ていて楽しめる映画ではない。その場合、間違いなく急転直下する展開に置いていかれる。
騙されまいと思いつつ、事件の裏側をいろいろと推理しながらみると楽しめる『閉ざされた森』だが、ミステリに慣れていない方にいくつか鑑賞時のアドバイスをしておきたい。
まず、登場人物6人の名前と顔をとにかく早い時期に覚えること。これは最低条件といえる。その上で、完全に話を理解して進まないと、せっかくの大どんでん返しにも驚くことが出来ない。英語が苦手な方にとっては、できればこういう映画は字幕より吹き替えで、話に集中して見た方が良いのだが。