『呪怨2』30点(100点満点中)

子供だましホラーだが、お好きな方はどうぞ

ホラービデオとしてカルト的人気の『呪怨』シリーズの、劇場版第2作。前作は、『スパイダーマン』のサム・ライミ監督により、ハリウッドでのリメイクが決まっている。

ホラーといっても、日本風の怖さというか、子供時代に感じた、押し入れの奥に何かがありそうな怖さ……とでも言うべき不安感を描いた作品である。具体的に言えば、画面の隅っこに、青い色した子供がチラッと写ってるとか、不意にガラスに不気味な顔が写ると同時に、耳障りな音がキーンと鳴るとか、まあ、そういう古典的な怖さである。

個人的な感想を言わせてもらえば、どこが怖いんだかさっぱりだ。こんなのは遊園地のお化け屋敷を見ている程度のものだと思うのだが。そういえば前作の公開時も、その時の担当編集者と、「こんな馬鹿馬鹿しいホラーがイマドキ公開されるなんてねー」と大笑いしていたものだが、それがハリウッドでリメイクまでされる話題作になるなんて、世間の評価はわからない。

この『呪怨2』にしても、幽霊女は人形くささ丸出し、血糊は真っ赤だし、とても安っぽい。元々ビデオ作品だし、そのへんは見て見ぬふりをしろという事なのかもしれないが、どうも安直な印象を受ける。

構成は、時間軸を一部重ねた短編オムニバス方式で、毎回視点となる登場人物が変わる。ただ、この構成が効果を上げているのは、見ていて飽きにくいという一点のみだ。作りに凝っているわりには、それを恐怖や謎解き面での効果に生かそうとか、そういう発想が感じられないところは惜しい。

現代の映画のわりには、サウンドデザインにも目立ったな工夫が見られない(『the EYE』などは、音でも怖がらせようと試みている)。何にしても、『呪怨2』は、最後の最後まで底の浅いタタリ映画にとどまっている。

完成披露試写は、お払いをしたり、降霊ショーを見せたりなど、手の込んだことをやっていて面白かったが、映画自体は残念ながら子供だましレベル。長さを60分くらいにして、クレヨンしんちゃんと同時上映にしたら、見てもいいかな、といった按配だ。とはいえ、怖くて一人じゃ青山トンネルを歩けないような、カワイイ女の子をつれて、二人で肩寄せ合って楽しむための役には立つかもしれない。



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