『コンフェッション』50点(100点満点中)
どうせヤラセだろ……と思ったら終わりだ
ジョージクルーニーが初めてメガホンを取り、スティーブン・ソダーバーグ(『オーシャンズ11』)が製作総指揮、チャーリー・カウフマン(『マルコヴィッチの穴』)が脚本、出演者も、チャリエンのドリュー・バリモア、ジュリア・ロバーツなど、豪華なスタッフで作られた実話ドラマ。
なんでも、主人公のTVプロデューサー本人の自伝が原作だそうだが、事の真偽は怪しいというほかない。ただの妄想じゃないの? と思いたいところだが、まあ、その辺を深く追求しない事で、ロマンも芽生え、映画の話題性も上がるというわけである。
こんなストーリーでも、豪華出演者がマジメに演じる事で、高級なドラマ仕立てになっている。サスペンスとして、ラストにちょいと驚きも用意されており、そこそこ楽しめる。
しかしながら、しょせんアメリカのTV番組、日本の、とくに若者にはなじみがない。よって多くの人にとって本作は、会話の内容が実感できないもどかしさがあるのではなかろうか。
また、アメリカ人を驚愕させたという、有名人=CIAの暗殺者、という図式も、多くの人にとっては、「あの国はワンダーランドだから、そんなもん別に驚きもしねえ」ってのが正直な所だろうし、そもそも、「その自伝もどうせ『ヤラセ』だろ?」、という目で見てしまったら、話にならない。
というわけで、アメリカの往年のテレビ番組が好きで詳しい人、日本の『ガチンコ』が、いまだに本物だと思っている、心の素直な方などに、『コンフェッション』は向いている。