『マニトの靴』70点(100点満点中)

気軽に、なにも期待せずにいったらいい

本国では史上最大のヒットを飛ばしたという、ドイツのドタバタ・コメディ映画。

舞台は、西部開拓時代のアメリカ西部。そこで、ひょんな事から義兄弟になったアメリカ人カウボーイとインディアンが、ハチャメチャな騒動と大冒険を繰り広げる。西部劇風のコメディである。

10秒に1つはギャグがあるというような、ホントにバカバカしい、くだらないギャグ映画である。そのくせ、音楽だけはムダに壮大で、そこがまた笑える。

だが、さすがにドイツで大ヒットしたというだけあって、これが意外に面白いのである。

冒頭のナレーションが特にそうなのだが、字幕のハジケ具合が秀逸なので、日本人でもバッチリ笑えるのだ。レイトショーで公開だそうだが、カップルで見る事を想定すると、これはかなりオススメといえる。どうせ劇場は空いているだろうから、画面に向かって二人で突っ込みをいれながら見るなんてのは、かなり楽しい経験になるはずだ。

しかも、『マニトの靴』には、ミュージカル映画のような楽しい踊りのシーンや、泣ける感動的場面さえもある。娯楽映画としてのツボは、しっかり押さえているのである。

NG集も面白いし、エンドロール後には、さらに爆笑の “あるもの” が用意されている。だから、途中で席を立たぬよう。

とてもくだらない映画だから、余計なものを期待せず、気軽に観にいったらいい。見終わって劇場を出るとき、とても気持ちのいい思いができる一本になるだろう。



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