『変身パワーズ』30点(100点満点中)
ダナ・カーヴィギャグを楽しめる人なら、評価は一変だが
アダム・サンドラー(製作総指揮)が、敬愛する先輩コメディアンのダナ・カーヴィ(主演)に、持ちネタを心おきなくスクリーン上でやらせてあげたコメディ映画。
基本的にこの映画の観客は、ダナ・カーヴィのファンである事が条件かのような映画である。もしくは最低でも、英語のギャグが理解出来る語学力が必要だ。
なぜかというと、ダナ・カーヴィの持ちネタというのは、基本的にモノマネだからだ。つまり、スクリーンを見ていて、「あ、これは、誰々の声真似をしているな」というのがわからなければ話にならない。字幕を見ているだけでは、クスリとも笑えない場面の連続であろう。
また、彼が真似する相手というのも、『ジョーズ』のロバート・ショーや、『フォレスト・ガンプ』のトム・ハンクスあたりなら、まだついていけるものの、メルヘンチックなドイツ人の税務署員だとか、スカした英国紳士などというのは、コテコテの日本人にはわかりにくいギャグであろう。
とにかく『変身パワーズ』は、これらのダナ・カーヴィギャグをもりたてるために、他の要素の全てが存在するような映画である。
最初に言った条件に当てはまる人にとっては、とてつもなく面白いといえるが、そうでない人にはさっぱりな映画である。そのへんをよく理解した上で出掛ければ、失敗はない。