『ブルークラッシュ』35点(100点満点中)
サーフィンの楽しさだけはわかる映画
「サーフィンてこんなに楽しいんだよ! みんなもやりたくなったでしょう?」 と主張しつづける映画である。まるで、サーフィンプロモーションビデオのようだと思えばよろしい。
そんなわけで美しい青い海でのサーフシーンは、撮影が素晴らしいの一語に尽きる。エンドロールでは、ちょっとしたメイキングが見れるので、そこでまた感心である。このカメラマンは、サーフィンを撮らせたら世界一という人で、まったく文句のつけようがない。
ただ、被写体が彼のレベルに追い付いていないと感じる。特に主演の女の子は、サーフィンの天才という設定だが、いかんせんへっぴり腰が目に付き、素人目で見ても危なっかしい。
彼女の友人役などは、プロ級の女子サーファーが演じており、その辺はまったく問題ないのだから、なぜ主演だけへたっぴな女の子を使ったのかが問題である。
どうせドラマ部分はオマケみたいなものなんだから、プロの俳優である必要など無かろう。主演の子にも、プロ選手かなんかを使ってやったら良かったのに、と思う。そうすれば、最大にして唯一の見せ場である、サーフィンシーンがより映えたと思うのだが。
カメラワークや編集で必至にカバーしているが、やはり彼女一人、技術レベルの低さが目立つのは残念である。
というわけで『ブルー・クラッシュ』は、カメラマンのずば抜けた力量で、なんとかもっている映画である。
マリン・スポーツが趣味の方が、恋人や友達と見に行くのには適した作品であるが、その場合でも、ドラマ部分にはあまり期待しない方が良いと思う。