『ノボ NOVO』50点(100点満点中)
設定は斬新だが中身は退屈
シャネルのモデルをやってるアナ・ムグラリス主演の、一風変わったフランス製恋愛映画。
どう変わっているかというと、『メメント』という映画を見た人ならわかると思うが、男の方があの病気なのである。つまり、数分間しか記憶を保持できない病というやつである。
そんな男とつきあう女も相当変わっていると思うが、映画なので仕方がない。彼女は、どうやら我々の予想をはるかに上回るプラス思考の持ち主のようで、「この彼となら、いつも新鮮なセックスが楽しめるわ!」という事に気付き、毎日やりまくるのである。フランス人の思考がよくわかる瞬間である。
そんなわけで、控えめな大きさのオッパイから半充電中の男のアレまで、無修正で見せる『NOVO』は、Hな場面も続出である。
しかし、こうした斬新な設定の話であるにもかかわらず、全体的にはいかにもフランス的な、けだるいムードが漂う。あまりにけだるすぎて、隣の席の女の子が、私の肩に持たれかかってきたほどである。私も正直、最後まで起きているのが大変であった。
何というか、メリハリがないのである。演出は独創的で、音楽もいいのだが、まるでBGVのように平坦な印象なのである。せっかちな人にはまず向かない。
さらに、男が「すぐ忘れちゃう病」にかかった真相なんて、アレはギャグなのか? と思う。フランス人のセンスには、時折ついていけない部分がある。
まとめとして『ノボ』は、斬新な設定とは裏腹に退屈な映画ではあるが、シャネルのモデルさんが、ホントに男優に股間を舐められているシーンを観ることだけはできるフランス映画、という事である。