『恋愛寫眞』60点(100点満点中)

映像一流、演技は二流、ラストのアクション三流以下

タイトルは、『恋愛写真』と読む。広末涼子主演の恋愛ドラマだが、途中からジャンルが変わって違和感が味わえる、強烈な変調を味わえる一本。

ただ本作を一言でいうと、映像一流、演技は二流、ラストのアクション三流以下、というもの。

まず映像、とくに静止画の部分は、文句無しにすばらしい。綺麗な映像を見るというのも、映画の楽しみの一つだから、これは高く評価したい。

演技二流というのは、主に松田龍平のそれを指す。彼は、カリスマであるオヤジ(松田優作)のネームバリューのせいで、最近いろいろな映画で顔を見るが、まだまだセリフまわしがたどたどしい。

私が監督ならば、セリフのある役には使わないので平気だが、この映画ではもちろんそうではない。広末の相手役という重要な役どころであるから、観客は111分間、少々の我慢が必要になるであろう。雰囲気はとてもいい役者だけに、今後の成長を祈る。

アクションが3流というのは、これは見てもらえばすぐわかる。ああ、前田の野郎が言っていたのはこれか、と、誰もが納得してくれるはずである。それがメインの映画ではないから、多くは述べないし、たいしたマイナスではないが。

それより問題は、主演の男女どちらに対しても感情移入しにくいという点。そのため、泣きを誘うシーンもいまいち盛りあがらないし、最後の妄想キスシーンなど、かなり痛い。

映像が綺麗な分60点を上げたが、それ以外の要素は平均を下回るものであると言っておきたい。



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