『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』40点(100点満点中)
原作のファンである事が重要な条件
全米で500万部も売れた小説の映画化。母とケンカ中の娘(サンドラ・隣のお姉さん・ブロック)が、母の親友3人から、若い頃の母の話を聞き、母のことを同じ女同士として理解するまでを描く。
出ている女優達が芸達者だから、それなりに見れるのだが、やや各キャラクターがつかみづらいと感じる。人物が描けていないという事であるが、これには理由がある。
1行目にも書いたことだが、これは大ベストセラーの映画化なのである。だから、映画でくどくど説明しなくても、暗黙の了解でみんな各キャラについてはわかっているのである。要するに、原作を読んでいることが前提で作られた、純粋にアメリカ国内向けの映画という事である。
アメリカでは、『ヤァヤァズ』は社会を揺るがすほどの大ブームで、架空のキャラ達のファンクラブが何10個も存在するほどである。たとえて言うなら、綾波レイのファンクラブが大量に存在していた頃の日本と同じといえるだろう。
そういうことだから、ヤァヤァズなんて聞いたことも無い日本人がこの映画を見ても、ピンとこないのは当然なのである。原作のベストセラーという土台が無い日本に映画だけが単独でやってきて、これだけを見て楽しめるかというと、ちょっと疑問なのである。
あくまでアメリカのブームの一環としての映画であるという事を念頭において、それでもサンドラ・ブロックの可愛い声を聞きたいという、私のような声フェチの方などがいたら、公開中の『トゥー・ウィークス・ノーティス』とあわせて鑑賞するというのも、あえて反対はしない。