『CUBE2 キューブ2』55点(100点満点中)
前作よりは相当劣るが前半の緊迫感は楽しい
『CUBE2』は、14週ロングランヒットを記録したショック・ホラーの5年ぶりの続編。
ケイト(ケリー・マチェット)は、目覚めると立方体の部屋にいた。6つの面には一つずつ扉があり、先には全く同じ部屋が続いている。やがて7名の見知らぬ男女と出会うが、ここがどこで、なぜここにいるのかは誰も知らない。出口を求める彼らに、やがて死の罠が襲いかかる。
理由もわからず、襲いくるトラップに一人一人殺されてゆく恐怖、わずかなヒントから脱出法を探る面白さ。そんな前作の魅力を、ほぼ同じストーリーで踏襲する。
登場人物のセリフに、芝居じみた違和感が無く、「自分だったらこうする」という行動を取ってくれるので、物語にグングンのめりこめる。特に前作を見た人は、この迷宮の恐ろしさを充分知っているから、彼らが部屋を移動するたび、緊張感でゾクゾクするだろう。
今回の迷宮は前作とは別物(おそらく改良版?)という設定で、罠の仕掛けも、CGを駆使した派手なものに変わっている。
しかし、非現実的な4次元の概念を持ちこんだため、恐怖が実感しにくい。
やはり、扉を開けた途端ワイヤーに首チョンパされ死亡、といったシンプルな罠のほうが、現実感があるだけに怖いものだ。現代科学のレベルと離れすぎた設定はマイナスといえる。
『CUBE2』では、前作で謎のままだった迷宮の目的、建造者等が明らかになるが、ここから先はもちろん内緒。結末をどう評価するかは、観た方それぞれに任せるとしよう。私としては、あれだけよく出来た傑作の続編としては、なかなか健闘したと思う。
なお、2から見ても支障はないが、なるべく1を鑑賞しておく事をすすめる。