『ムーン・チャイルド MOON CHILD』15点(100点満点中)
GacktとHYDEファン以外が観る理由は無い
ジャパンポップ界のアイドルGacktとHYDEが主演のSF映画。ガクトは、脚本などにも相当アイデアを出したという。
その二人の少々へたっぴな演技も、見ているとそのうち慣れてくる。さすがに一分野でトップになっただけあって、彼らにはオーラというか、存在感がある。
その他の出演者中、山本太郎はさわやかでいいが、台湾で大人気のワン・リーホンはまるで目だった所が無い。あちらの女優さんも出ているが、女優が男優(GacktとHYDE)の引きたて役になってしまっているというのは気の毒だ。
映像は、ファッショナブルだが非リアル、というあたりを狙っている。平たく言えばファンタジックなSFだ。1回目のアクションシークエンスは、最近流行りのワイヤーワークや弾よけスローVFXなども盛りこみ、それなりに力の入った出来になっている。
ただ、そこで予算が尽きたのか、映画としての見所も弾切れになってしまうのが残念至極。主演の二人は、アクション俳優ではないのだから、もとよりVFXやカメラワークでごまかすしかないわけだが、悲しいかなそこまでの人材も予算も無かったか。
結局映画『ムーン・チャイルド MOON CHILD』には、客のほうが相当歩み寄ってやる必要があり、あちらがこちらを楽しませてくれるレベルには至っていない。見所は二人のハンサムなお顔だけ。ファン以外が劇場に行く理由は薄い。