超映画批評プチ『コンフィデンス』『この世の外へ クラブ進駐軍』『幸せになるためのイタリア語講座』『ドラッグストアガール』『跋扈妖怪伝 牙吉』『アドルフの画集』『恋する幼虫』『嗤う伊右衛門』
『コンフィデンス』点
工事中……
『この世の外へ クラブ進駐軍』30点
キャストにつられて見る若者は、寒いギャグセンスと、あまりに下手な主人公の歌(英語詞)に愕然とするだろう。試写室ではオジサンオバサンだけは笑ってたが。反戦メッセージをこめた作品のくせに骨がない。軽い。中身スカスカのたわいもないドラマだ。少なくとも若い人にはすすめない。
『幸せになるためのイタリア語講座』65点
制約の多い製作手法(ドグマ95)のため、メリハリに乏しくやや長く感じる。とはいえ、余計な派手さがない分、ダイレクトに心に響く良質なドラマ。シンプルな旋律の音楽と、セリフではなく行動で示される愛情表現に、自然と涙が出る。ミニシアター系が好きな方にはきっと気に入られるだろう。
『ドラッグストアガール』40点
ナンセンスでとっぴなキャラを見てるだけで笑える人向き。ハチャメチャやって、それだけで終わり。私にはとても笑えないが。一本訴えるテーマがないと、コメディ映画はまったくしまらない。そのへん、製作者はわかっているのだろうか。映画はテレビドラマではないのだ。はつらつとした主演女優の愛らしさが救い。
『跋扈妖怪伝 牙吉』30点
CGを一切使わない昔ながらの手法で作った、被り物系妖怪アクション映画。しかしデジタル技術を使わないと、ここまで安っぽくなるものか……。火薬をたくさん使ってそれなりに頑張っているのだが、青い絵の具製の血液やチャックが見えそうな肉じゅばん、ワイヤーの見えるワイヤーワークはギャグにしか見えない。時代は変わった。こういう手法の映画を作るなら、もっとストーリー等の要素でぶっとぶしかないだろう。ただ昔のやり方でやりました、だけでは評価はできない。
『アドルフの画集』60点
独裁者は、最初から独裁者ではない。あのヒトラーでさえ、ごく普通の若者だった……という主張を描いたドラマ。その普通の人間が、いかに独裁者になったか、という部分は描いていない。まあ、そっちを描くほうが難しいのだが。日本ではヒトラーやナチに対する反応はもともと鈍いだろうから、上記のテーマに興味をもった人に。映画自体の出来は悪くないですぞ。
『恋する幼虫』55点
ナンセンスな展開となんともシュールな演技。とっぴな映像表現で見せる。だが、後半は似たような展開が続き、だらけている。こういう話は、ビックリな展開に客が飽きないうちに、驚きのラストまで一気に持っていく形のほうがいい。上映時間が長すぎる。現役AV監督らしく、女性とのからみのシーンのエロさはお見事。
『嗤う伊右衛門』20点
京極夏彦の小説は、映像化するとどうにも見苦しいというか……。女性ファン向けの恋愛映画という事であるが、実際京極ワールドを映像で見るとグロいだけで、美しさが感じにくい。この作家の本は、映画向きではないのではないかと私は思っているのだが。ストーリーもいまいちだし、よほど何かの思い入れがない限り、オススメしかねる。