「テッド2」55点(100点満点中)
監督・脚本:セス・マクファーレン 出演:マーク・ウォールバーグ アマンダ・セイフライド

女子会向け

オタク業界の中でも一番キモい部類に入るといわれる映画オタクな上、スケベでジャンキー。現実にいたら全女性がUターンするそんな属性の男でも、見た目が愛らしければ受け入れられる。そんな「※」を実証したのが前作「テッド」で、日本でも興収42億円の大ヒットとなった。「テッド2」はその続編である。

恋人タミ・リン(ジェシカ・バース)と添い遂げたテッドだったが、どうしても子供がほしくなり親友ジョン(マーク・ウォールバーグ)とともに弁護士のサマンサ(アマンダ・セイフライド)に相談に行く。すると子供どころか自分が法的には人間ではないことがわかり、子供どころか自らの存在自体を否定されるピンチに陥る。

のっけからハイテンションで、酒でも飲んでから映画館に向かわないと到底ついていけないとびっぷりである。

ギャグは前作同様、ドラッグネタと下ネタ、オタッキーな映画ネタにアメリカのゴシップ関連が加わるおなじみのもの。正直、どれも大してキレはないが、せっかくなので皆がんばって笑っている感じである。それでも完成披露試写会のヒルズは一人客が中心だから、さすがに湿っていた。

もともとこの手の映画は客席のノリに左右されるものだが本作はとくにその傾向が高いだろう。R15+指定だが、どうにも子供っぽい映画である。

得られるはずもないものを欲しがり、ごり押しで獲得しようとするテッドたちを何の疑いもなく正しいものと描くのはいかにもアメリカらしい。運命を受け入れ共に生きる日本的価値観とは相容れない部分があるものの、強引に「いい話」に持っていく脚本も力強い。

テッドのキャラクターは、綿密に計算された表情と動きが感じられるよくできたもので、こんなバカ映画なのにキャラクター映画として成立している点も大したもの。

後味もよく作られているから、この続編も多くの女性の支持を得てヒットするだろう。ただ、カップルより女子会向きなのは言うまでもなく、前述したとおり子供っぽいから大人の男性にはちょいときつい。やむを得ず彼女から誘われた場合などは、覚悟を決めて臨みたい。



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