『ベルベット・レイン』60点(100点満点中)
オチはまあまあだが、そこに至るまでが退屈
アンディ・ラウ、エディソン・チャンら香港の新旧スターが競演した男くさいギャング映画。
しがないチンピラの若者(ショーン・ユー)とその親友(エディソン・チャン)は、暗殺実行者選びのためのくじ引きが今夜行われることを知る。組織で成り上がるため、なんとか当選を果たしたい二人はその会場に駆けつける。
一方、暗殺計画の存在を知った黒社会の大ボス(アンディ・ラウ)は、妻に子供が生まれたばかり。幸せをつかんだボスの今後を心配する組織のナンバー2(ジャッキー・チュン)は、長年の友情から、彼に引退を勧める。
『ベルベット・レイン』は、なんだか舌っ足らずなストーリーテリングだなぁと退屈に見ていると、ラストですべてがすっきりと収まる、なかなか工夫されたドラマである。ミステリ小説ではたまにある手法だが、映像でみると結構新鮮で、なるほどと唸らされた。伏線がかなり大胆に張られているが、そんな事とは夢にも思わなかったのでまったく気づかなかった。
物語は音楽に合わせ、ダンスのように軽快に流れていく。スタイリッシュな映画、と形容することもできるだろう。しかし、オチはともかく途中のつまらなさはいかんともしがたく、役者に興味のない人にはきついだろう。
香港映画らしい、ムードのあるギャング映画ではあったが、こじんまりとしすぎてあと一歩といった印象。もうちょっとといったところだ。