『チャイルド・プレイ チャッキーの種』50点(100点満点中)
二人の子供が登場
人形が殺戮を繰り広げる人気ホラーシリーズの第五弾。監督はこれまでシリーズの脚本を担当していたドン・マンシーニで、前作で生まれたチャッキーの子供を登場させ、シリーズのファンを楽しませる。
英国の見世物小屋で、インチキ腹話術師の道具としてこき使われていた人形(声:ビリー・ボイド)は、TVでハリウッドの都市伝説=チャッキーとティファニーという名の人形による大量殺戮、を知る。チャッキーの腕に自分と同じ文字があるのを見て彼らが自分の両親だと確信した彼は、見世物小屋を脱走してハリウッドに向かうのだった。
シリーズも回を重ねてきて、いよいよコメディに近いものとなってきた。この第5作は、シリーズ中もっともばかばかしく、ふざけていて、品が悪い。映画の冒頭は女性器内を泳ぎ回る精子の映像から始まり、エンドロールもまたじつにえげつない。シリーズを見てきた人たちが楽しめるための仕掛けが随所に見られ、笑えるようになっている。
人形たちの凶悪さは相変わらずで、突き抜けた残酷描写もかなりのもの。そしてそれまでもがギャグになっている。キャラクターが確立されている強みというやつだ。3頭身の妙に愛らしい外見と、やってる事のひどさ。このギャップが面白い。
二人の子供が気弱な平和主義者だったりするのも笑えるが、シリーズで人形に声をあてていた役者らが実名で登場する展開もまた楽しい。この作品から見る人は完全に無視して、内輪ネタに徹した作りになっている。
いってみればお手軽な続編ではあるが、遊び心はたっぷりで、わずか87分間という上映時間だから多少不満があっても腹はたつまい。大してよくできた続編ではないが、退屈するというほどでもない。まあ、無難な出来といったところだろう。