『人形霊』60点(100点満点中)

突込みどころ満載で笑えるホラー映画

韓国製怨霊系ホラー映画。

森の奥深くの怪しげな洋館に5人の男女が招待される。彼らはその館の主が作る人形モデルとして選ばれた者たちだった。等身大から小さいものまで、無数の人形たちに飾られた異様な館に驚きながらも興味津々だった彼らの前に、やがて最初の惨劇が起きる。

人形の怨念を描いた韓国のお気楽ホラー映画だ。これを見ると人形を軽々しく捨てられなくなるというオマケつき。

この映画はあまりにバカバカしい内容なので、突っ込みながらみるおバカ系ホラーとして見ると良い。何しろ美少女女優が「一人でウンコするのが怖いからついてきて」などと初対面の男に頼むような展開である。大ウケ間違いなしだ。

人形師役の女や、鬱気味女を演じる女優たちの迫真の(というより明らかにやり過ぎの)演技にも驚かされる。これなども、こちらを笑わせようとしてやっているとしか思えない。

さらに、数々のビックリ演出がじつにベタベタで、あらゆる意味で予想通りの驚かし方をしてくるので、最後には笑いが出てくる。

事件の真相もまたお笑いで、歴史設定のいいかげんさも含めて矛盾だらけ。どう考えてもただの「いいがかり」であり、そんなものに長らく恨み感情を持ちつづけられるとはあきれ果てる。これが韓民族特有のねちっこさなのだろうかと感心すらしてしまう。

ただ、バカ映画と思って油断していると、ちょっとした感動伏線がはってあるので意外にもホロリとさせられる。これはなかなか悪くない。……が、ここでもツッコメてしまうところがご愛嬌だ。(見ればおわかりになろう)

結局のところ、まじめに作った映画の間抜けな点を上記のように楽しめる性格の人が見れば、結構面白い映画には違いない。韓国映画は時々こういう愉快な作品を出してくるから侮れない。



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