『デンジャラス・ビューティー2』40点(100点満点中)

お手軽続編だが、二人の女優の魅力でそこそこ見せる

隣のお姉さん的親しみ易さが人気の女優サンドラ・ブロックが、潜入捜査としてミスコンに出場するコメディ「デンジャラス・ビューティー」の続編。

前作の事件における大活躍で有名人となり、すっかり面が割れてしまった主人公のFBI捜査官(S・ブロック)は、やむなく一線を離れ、FBI広報担当としてメディア出演の日々を送っている。そんなある日、親友のミス・アメリカが誘拐されたとの報を聞いた彼女は、たまらず独自で捜査をはじめる。

前作はいわゆる女性の「変身願望」を満たすかのような作品で、「男勝りの捜査官がミスコン美女に大変身」というのがひとつの重要なモチーフになっていた。この続編ではそれに加え、主人公以上に男勝りな黒人捜査官(レジーナ・キング)を登場させることで、女同士のバディムービーという要素をメインに押し出している。

この新キャラがなかなか魅力的で、演じるレジーナの可愛らしさもあってとても親しみがわく。似たもの同士の二人が最初は反発しながらもやがて友情を育んでいくあたり、あまりに類型的ではあるが、安心して楽しめるだろう。

類型的といえば、このシリーズはまさにその典型で、オカマのスタイリストや男日照りの相棒、気弱な男性部下……と、出てくる人間はことごとくステレオタイプ。ストーリーにも意外性のかけらもなく、観客の想像どおりに展開し、予想通りに落ち着く。そういうハリウッドのお気楽娯楽が苦手な人にとっては、とてもじゃないが付き合っていられない作品だ。逆にいえば、そこそこ笑わせ、そこそこワクワクさせ、素敵なファッションにうっとりさせるという「お楽しみ」を、見る人の国籍を選ばず与えてくれるわけでもあるのだが。

前作に引き続き主演するサンドラ・ブロックは、もう40くらいになるはずだが、ボディラインはまったく崩れておらず、本作でも見事な脚線美を披露してくれる。これだけのプロポーションならどんな服でも似合うであろう。事実彼女は、シャネルやルイ・ヴィトン、フェンディといったセレブなお洋服&アクセサリーの数々を、見事に着こなしている。そして、そんな服装でありながらも親しみやすいムードを失わないあたりが、サンドラ・ブロックの魅力だ。

ラストにはちょっとホロリとさせるエピソードを配置して涙を誘っているが、あまりに作風が軽すぎてあまり生きてはいない。『デンジャラス・ビューティー2』は、見終わって5分くらいで筋書きから何まですっかり頭の中から消え去ってしまうので、一瞬「自分はボケたのではないか」と不安になるかもしれないが、ほとんどの人がそうなるので心配はいらない。そして、そういう映画を必要とする人も世の中にはたくさんいる。いわゆるそうした「お気楽映画」の中で見れば、この作品はよくもなく悪くもなくといったところだ。



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