『アナコンダ2』40点(100点満点中)
こんどのへびはたくさんだよ
ジャングルに巣くう、巨大蛇アナコンダに襲われる恐怖を描いたパニック映画の続編。
舞台はインドネシアのボルネオ島。今ここには、7年間で2週間だけ開花する希少な植物が咲いている。この花には巨額の利益を生む薬効成分が含まれており、それを目当てにアメリカから研究者チームがやってきた。悪条件の中、無理やり雇ったボロ船でジャングルに向かう一行だが……。
この後は書かずとも想像できるとおり、大きなヘビさんに人間がパクパク食われてしまうという展開をたどる。8年前の前作とはまったく無関係な筋書きで、アナコンダが出るという点が共通している程度の続編だ。ジャニファー・ロペスという大スターが主演していた前作に比べると、なんだか無名に近い役者ばかりだが、それなりに面白く仕上がっている。
いつもペラペラ無駄口ばかりたたいている黒人や、人間顔負けのかわいらしい表情を見せるサル、マッチョ好きな女性が喜ぶであろういいカラダをした男性出演者たちと、アクの強めなキャラクターがそろっており、序盤から興味を引く。実際のヘビよりはるかにすばやく、頭を小さめにデザインしたという新CG製アナコンダもなかなかの迫力だ。
ただし、アナコンダが実際に人間とかかわるスペクタクルシーンは少なく、全体としては地味な印象だ。それならそれで「でるかもでるかも〜」と思わせる恐怖演出で引っ張ればいいのにそれもない。この点は不満が残る。
せっかく大量のヘビが出てくる場面も、どうみても予算不足としかいいようのない扱いで、あれじゃクライマックスも盛り上がらない。
そんな『アナコンダ2』だが、人間たちのゆかいな行動には見るべき点がある。アナコンダに遭遇した際、なぜか(ヘビにとっていかにも通りやすそうな)細いトンネルのようなところに逃げてみたり、ジョーズのテーマソングを歌ってるやつがそのまま食われたりと、バカすぎて大笑いすることができる。こういうセンスは大変よろしい。
それにしても、どうして今ごろ作ったのかよくわからないパート2だ。どうせやるならもっとドンチャン騒ぎをやればいいのに、微妙に地味であるのもよくわからない。技術の進歩で多少はヘビCGがリアルになってはいるが、それだけの話だ。まあ、ヘビ嫌いの女の子でも連れて、見にいってみてはいかがか。いや、さすがにそれは本気で嫌われるか。