『巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)』30点(100点満点中)

映画ではなくオペレッタを見にいく感覚で

黄金期の1925年にパリでヒットしたオペレッタ「Pas sur la bouche!」を映画化した作品。出演は『アメリ』のオドレイ・トトゥほか。本国フランスを代表する演技派キャストも見所。

舞台は1925年の巴里。妻は処女だったと信じきっている夫をもつジルベルト(サビーヌ・アゼマ)は、実はバツイチだった。そんなある日、夫が友人としてつれてきたのはなんと前夫だった。

オペラとオペレッタの違いはいくつかあるが、そのひとつに悲劇か喜劇かという点がある。本作はオペレッタの映画化なので台詞も多いし、ユーモアたっぷりのストーリーとハッピーなエンディングを持っている。ゴージャスなセットと衣装は映画といいうより、まさにオペレッタを見ているようで、ファンには嬉しいところ。歌も俳優が自ら吹き替えなしで歌っている。

映画としてみれば、しょっちゅう歌が挟まってなかなか物語が進行しないし、ストーリーも別段意外性があるといったものではないので退屈だろうから、やはりこれはスクリーンでオペレッタを見るというつもりでいくべき作品である。試写室の反応からも、年配の方に向いていると思われる。フランス語がわかると、なおさらウィットに富んだ会話を楽しめるだろう。



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